いしいしんじによる原作小説を元にミュージカルアニメーションとして映画化した『トリツカレ男』より、劇中歌「That’s the bee’s knees!」の本編映像が解禁された。

ひとたび何かに夢中になると、ほかのことが目に入らなくなってしまうジュゼッペは、街のみんなから“トリツカレ男”と呼ばれている。三段跳び、探偵、歌……ジュゼッペがとりつかれるものは誰も予想ができないものばかりだ。行き場のないネズミのシエロに話しかけるうちにネズミ語をマスターしたジュゼッペ。昆虫採集に夢中になっていると、公園で風船売りをしているペチカに一目惚れ。今度はペチカに夢中になった。勇気を出してペチカに話しかけたジュゼッペだったが、ペチカの心には悲しみがあった。大好きなペチカのため、相棒のシエロとともに、彼女が抱える心配事を、これまでとりつかれた数々の技を使ってこっそり解決していくのだが…。

今回、ツイスト親分(CV:山本高広)が歌う劇中歌「That's the bee's knees!」の本編映像の一部が公開された。ジュゼッペ(CV:佐野晶哉)とペチカ(CV:上白石萌歌)が住む街のギャングのツイスト親分は、借金のかたとしてペチカから風船売りの場所代を取っている悪役でありながら、ツイストダンスを愛するという意外な一面も持つキャラクター。

ウッドベースとドラムのビートが印象的なロックナンバーであるこの楽曲について、制作したatagi(Awesome City Club)は「こんなテイストは初めてですね!一番ダークさがあるロカビリー調の曲」と語っている。アップテンポかつワイルドさとダークなテイストを併せ持つ音楽に乗せて、欲望にまみれたネオン街でド派手に登場するツイスト親分が、鋭い眼光を見せながら闊歩し、踊り、お金をばらまいていく…という怪しくきらびやかなシーンが切り取られ、ミュージカルアニメーションである本作の持つ豊かな表現力が感じられる映像となっている。

本作に登場する劇中歌は5曲。ギターリフから始まりフェスなど屋外が似合うよう制作された「ファンファーレ ~恋に浮かれて~」(佐野晶哉×上白石萌歌)、60年代後半~70年代初頭のブリティッシュロックの佇まいを感じさせる「ジュゼッペのテーマ」(佐野晶哉)など、その音楽表現の幅広さを感じさせるatagiによる、変幻自在な楽曲を存分に堪能できる。

ツイスト親分を演じた山本は「洋楽の、ロックな感じのツイストが効いている歌を、前半は少し怖い感じを残しつつ、歌も低めに歌って、後半ははっちゃけて歌いあげました」とコメント。芸人そして声優としても活動の幅を広げている山本の役柄にマッチした巧みな歌唱と演技に注目だ。

劇中歌「That’s the bee’s knees!」本編映像

『トリツカレ男』は全国で公開中
監督:髙橋渉
キャスト:佐野晶哉(Aぇ! group)、上白石萌歌、柿澤勇人、山本高広、川田紳司、水樹奈々、森川智之
配給:バンダイナムコフィルムワークス
©2001 いしいしんじ/新潮社 ©2025映画「トリツカレ男」製作委員会