『TOKYOタクシー』の初日舞台挨拶が11月21日(金)に丸の内ピカデリーで行われ、倍賞千恵子、木村拓哉、蒼井優、迫田孝也、優香、中島瑠菜、神野三鈴、山田洋次監督が登壇した。

ある日タクシー運転手が乗せたのは、人生の終活に向かうマダム。東京から葉山へと向かいながら、彼女の思い出の地をめぐるうち、彼女の壮絶な人生が明らかになっていく。他人同士だった2人の人生が交差し、やがて想像もしなかった“奇跡”が訪れる―。長きにわたり日本映画界で活躍し続け山田監督作品には欠かせない名女優・倍賞千恵子、そして『武士の一分』以来19年ぶりの山田組参加となる木村拓哉。さらに蒼井優、迫田孝也、優香、中島瑠菜、イ・ジュニョン、笹野高史など多彩な豪華キャストが集結。フランスで初登場新作1位を獲得、2023年に日本でも公開しヒットしたフランス映画『パリタクシー』を原作に、昭和から平成、令和と、日本に生きる人々を長年描き続けてきた山田監督が、刻々と変化する大都市・東京を舞台に、人生の喜びを謳いあげる感動のヒューマンドラマ。

公開初日の上映後に、万雷の拍手で迎えられた山田監督は「この映画に関わった俳優さん、スタッフみんなの思いの思いの丈が伝わったのではないかと思っています」と感慨深げな様子を見せた。

本作の撮影では「初日が柴又ロケから始まった」という倍賞は「『男はつらいよ』が柴又で終着駅を迎えて、『TOKYOタクシー』が柴又の門前から始まったんです。それが一番の印象に残っていることです。終わりと始めがが柴又にあったということが生涯忘れられない思い出」と明かした。

また、「監督が僕らに撮影をし終わった後に言ってくださった言葉で、それぞれの今回の『TOKYOタクシー』という作品に携わった人の思いが、作品の艶になってると思う。今回の作品は艶に恵まれた作品になったことを感謝しますと、現場の全スタッフに言ってくれた時に、いい場所に自分は参加できたんだなという思いにあふれた」と振り返った。

その木村は、倍賞について「フラットな方ですし、比べものにならない経験値がおありの方ですが、最終的に物事、感情が笑顔で終わってくださる方」と表現し、「疲れていても大変なことがもしあったとしても、最終的には倍賞さんがすべてを包んでくれるような笑顔でいつも向き合ってくださるので、毎回心地いい魔法をかけていただいているような感じはしていました」と感謝を伝えた。

一方で木村について「本当にまじめな方。心を投げかけてもちゃんと受け止めてくれる。気楽に自分のことをそのままできて幸せでした」と信頼関係をうかがわせる倍賞は、本作の撮影では「前と後ろでお芝居をしていたので、覗き込んだ姿とか、バックミラーに大きな目が映るんです。目に力づけられて毎日楽しくお芝居ができました。この人だったら全部言ってしまおうと、すみれがどんどん出てきて楽しい毎日を過ごさせていただきました」と語った。

【写真・文/編集部】

『TOKYOタクシー』は全国で公開中
監督:山田洋次
出演:倍賞千恵子、木村拓哉
 蒼井優、迫田孝也、優香、中島瑠菜
 神野三鈴、イ・ジュニョン、マキタスポーツ、北山雅康、木村優来
 小林稔侍、笹野高史
配給:松竹
©2025映画「TOKYOタクシー」製作委員会