内山拓也監督×北村匠海主演『しびれ』が第76回ベルリン国際映画祭に出品されることが決定した。

新藤兼人賞をはじめ数々の映画賞新人賞を席巻した『佐々木、イン、マイマイン』(2020)、続く『若き見知らぬ者たち』(2024)と、“現実に抗いながらも何かを掴もうとする若者の青春”を見つめてきた内山拓也監督。内山監督の故郷である新潟を舞台に、居場所とアイデンティティを模索する少年の物語を自伝的作品として描く渾身の一作『しびれ』。自分の居場所を探す孤独な少年が、息をのむような大きな愛を知るまでの20年間を描いた。青年期の大地を演じるのは北村匠海。どこにも居場所がない孤独な少年期をくぐり抜け、自分のもとを離れた父への静かな怒り、そして女手一つで自分を育てた母に対し、憎しみと愛、相反する感情に揺れる心の内を見事に体現。大地の母・亜樹役には宮沢りえ。そして大地の父・大原役には永瀬正敏。

今回、本作が2026年2月12日から22日まで開催される、世界三大映画祭の一つであるベルリン国際映画祭のパノラマ部門に正式出品されることが決定した。ベルリン国際映画祭は来年2026年で76回目を迎える歴史と伝統ある映画祭で、パノラマ部門は世界中から良質の作品を幅広いジャンルで集めた部門。

正式出品を受けて、内山拓也監督、そして主演の北村匠海からコメントが到着。さらに出品決定を記念し、新ビジュアルが完成した。ビジュアルは、北村匠海演じる主人公・大地と宮沢りえ演じる母・亜樹が二人、柔らかな風に包まれながら、流れる雲がひとつに溶けていくように、そっと肩を寄せ合う姿が切り取られています。居場所を探し続ける人生を歩んできた大地。母の温もりと匂いを感じながらこちらを見据えるそのまなざしには、幸福の実感が宿り、かすかな希望を感じさせるビジュアルとなっている。

そしてベルリン国際映画祭用の本編映像が公開された。加藤庵次演じる少年時代の大地がひとり、川で生活用水を汲む姿がフィルムカメラでドキュメンタリックに切り取られ、ひとりぼっちでも歩みを止めない主人公の日常に没入させられるようなシーンとなっている。

内山拓也(監督・原案・脚本)コメント

雪が降り、息を白くする2月のベルリンは、冬を実感する光景で、本作にとってまさにぴったりの舞台に選ばれたのではないかと感じています。映画を祝福するようなそんな情景を、目に焼きつけたいと思います。
すべてのスタッフ、キャスト、携わってくれた方々、作品をベルリンの地へ運んでいただき心から感謝しています。
「しびれ」の静寂と温もり、呼吸と眼差し、そして生きる歓びが、海を超えて、誰かの心をすこしでも軽くできますよう願っています。

北村匠海(大地役)コメント

ベルリン国際映画祭 パノラマ部門に「しびれ」が選出されました。
歴史ある映画祭で「しびれ」を評価していただけて本当に嬉しく思います。
僕たちの愛情が少しでも届くことを願っています。

本編映像

『しびれ』は2026年に公開
監督・原案・脚本:内山拓也
出演:北村匠海、宮沢りえ
 榎本司、加藤庵次、穐本陽月
 赤間麻里子/永瀬正敏
配給:NAKACHIKA PICTURES
©2025「しびれ」製作委員会