Netflix映画『10DANCE』配信記念イベントが12月17日(水)に都内で行われ、竹内涼真、町田啓太、大友啓史監督が登壇した。

男性2人のダンスに懸ける情熱と闘志、苦悩、嫉妬、愛を描いた井上佐藤による大ヒット漫画「10DANCE」(講談社「ヤングマガジン」連載)。競技ダンス漫画の先駆け的作品として人気を博しているだけでなく「このBLがやばい!2019」を受賞するなど、読む人の心を鷲掴みする甘く刺激的な男性同士の愛とダンスの物語が、Netflix映画として実写化。W主演を務めるのは、約8年ぶりの共演となる竹内涼真と町田啓太。竹内はラテンダンス日本チャンピオンで世界に通用する実力を持ちながらも、ある理由から国内の大会にこだわる主人公・鈴木信也)を演じ、社交ダンスに初挑戦した。一方町田が演じるのは杉木信也。スタンダード(ボールルームダンス)日本チャンピオンで世界2位の記録を持ち、竹内の演じる鈴木信也を〈10ダンス〉の世界に誘う役どころを堂々と演じた。そして、鈴木のダンスパートナーとして、情熱的なダンサー・田嶋アキに土居志央梨、杉木のダンスパートナーには、冷静で気品のあるダンサー・矢上房子を石井杏奈が演じる。監督を務めるのは大友啓史。

冒頭では「いよいよ来たかという気持ちです。うれしいですし、僕が俳優を始めてまだ12本念ですけど、作品をやってこんなに心と体がリンクして充実した作品は初めて」と話す竹内は「いよいよ世界中に届くのかと思おうと心がざわざわします。うれしい気持ちとドキドキした気持ちと、“飛んでけー!”って感じですかね」と笑顔を見せた。町田も「万感の思いとはこういうことなんだなと思っております」と挨拶した。

本作のオファーに対して、自身の31歳の誕生日の前後に決めたことを明かした竹内は「31歳から32歳になるまでのこの1年間を、この作品に捧げてみようかなという気持ちでした。絶対に厳しい戦いになるし、相当なリスクを背負わなきゃいけない企画だというのは分かっていました」と、並々ならぬ覚悟で挑んだことを吐露。その上で「誰と組むかが一番大事でした。相手役が町田くんだと聞いた瞬間に、まず『よし!』と思いました。町田くんしかいないと思ったし、町田くんとなら大友監督と一緒に奇跡が起こせるんじゃないかという期待感と。それとは裏腹に本当に行けるのかなという気持ちが行ったりしている感じでした」と、町田への全幅の信頼を口にした。

一方でプロダンサーを目指す中で、その道を断念した過去を持つ町田にとって「その時に消化しきれなかった思いも、もしかしたら少し昇華できるのかもしれないとか。こういう人がやることによって、見る方もくすぶっているものに何かが灯ってくれたらいいな」という思いを振り返った。また、その思いを胸に臨んだ撮影では「(ダンスの経験は)全部意味ないです。何も意味をなさなかったです。すべて最初から(笑)絶望しました。本当に違います、何もかもが」と苦笑しつつ「素晴らしさ、美しさがあるので何とかやってみようと思いました」と明かした。

そんな撮影で、特に大変だったことについて竹内は「最後に『自分はできる』と信じきらないといけないけれど、そこの境地に達するまでにすごく時間がかかった」と明かし、「信じ切らなかったら成功できていないことだらけで。そこを信じ切るまでは不安で怖いんです」と振り返ったが、「お互いに信じるを超えてしまった瞬間に、予期せぬサプライズがいっぱいきたんです。怖かったんですけど、みんなを僕は心から信じることができてよかった」と撮影の日々について語った。

また、「触れて一緒に踊っていると、相手の体温とか、今ノってきているのが直接分かるんです」と話す竹内は「その瞬間がすごく楽しくて。それが毎回の撮影の活力になっていた」と振り返った。町田も「生まれていくものがたくさんあったので楽しくて仕方がなかった。自分もそうなんですけど、目の当たりにするときとか」と本作の撮影で感じた思いについて語った。

【写真・文/河野康成】

Netflix映画『10DANCE』は2025年12月18日(木)よりNetflixにて世界独占配信
監督:大友啓史
出演:竹内涼真、町田啓太
 土居志央梨、石井杏奈/浜田信也、前田旺志郎
 Nadiya Bychkova、Susie Trayling、Pasquale La Rocca