
柚木麻子のデビュー作を映画化した『終点のあの子』の本予告映像、本ポスタービジュアルが解禁された。
原作の「終点のあの子」は、2008年に第88回オール讀物新人賞を受賞した短編「フォーゲットミー、ノットブルー」を第一話においた全四編からなる連作集で、世田谷区小田急線沿線にある私立女子高校に進学したばかりの少女たちが登場する。映画は、中学校から上がってきた内部生の希代子と外部生の朱里を主人公に添えた第一話に注力した物語。入学式の日。中学からの内部進学者の希代子は、高校から入学した奥沢朱里に声をかけられた。海外暮らしが長い彼女の父は有名なカメラマンだった。希代子は風変わりな朱里が気になって仕方がないが、一緒にお昼を食べる仲になった矢先、ある変化が訪れる―。主人公・希代子と朱里を演じるのは當真あみと中島セナ。監督を務めたのは、『好きでもないくせに』(16)や『愛の病』(18)などで知られ、2021年には、ロッテルダム国際映画際に招待され話題を呼んだ『Sexual Drive』など、これまで女性を主体的に描いてきた吉田浩太。
今回解禁されたポスタービジュアルには、主演の當真あみと中島セナがそれぞれ扮する希代子と朱里、朱里は希代子を見つめ、一方の希代子はどこかしら違う方向を見ている姿が捉えられている。添えられたコピーは、この二人に関わらず、誰しもが10代の頃に思ったことであろう気持ち―「特別な存在になりたい」。その淡く切実な願いを胸に、今自分が住んでいる世界で自分らしく/自分を肯定できることを模索する希代子の佇まいは、花びらが風に触れた瞬間のように可憐で儚い。だけど、その澄んだ瞳の奥には、かすかな翳りとなって自信の欠片の揺らぎと幼い弱さがそっと沈んでいる。
そして、希代子が憧れ続ける朱里は、知の静謐と大人びた気高さを纏い、孤高の星のように凛として佇んでいる。その真っ直ぐな眼差しの奥には、強さと共に、触れればかたちを変えてしまいそうな寂しさと、深い憂いの影が淡く揺れている。二人の瞳に宿るまだ名もない感情が見て取れるビジュアルとなっている。
本予告映像には、いつもと変わらない日常を過ごしていた希代子と、そんな希代子の前に突如として現れた青い服を着た転校生の朱里の姿が。そして、自由奔放で他のクラスメイトとは異なる雰囲気をまとった朱里に惹かれ、徐々に行動を共にするようになった希代子の世界は、眩しいほどに明るく輝き出す様が映し出されるのもつかの間、あることがきっかけでそれが瓦解していく。希代子と朱里の間に一体何が起こったのか。人生で二度と訪れない思春期の煌めきと残酷さを感じさせる映像となっている。
本予告映像
『終点のあの子』は2026年1月24日(金)より全国で公開
監督・脚本:吉田浩太
出演:當真あみ、中島セナ
平澤宏々路、南琴奈
新原泰佑、小西桜子、野村麻純、今森茉耶、陣野小和/深川麻衣、石田ひかり
配給:グラスゴー15
©2026「終点のあの子」製作委員会







