
17歳の少女と父とその友人と3日間のキャンプ―“大人の不完全さ”に気づいてしまった、生涯忘れられない瞬間―『グッドワン』に各界の著名人からのコメントが到着、併せてアザービジュアルが解禁された。
17歳の少女サムは、父クリスと彼の旧友マットとともに、ニューヨーク州キャッツキル山地へ2泊3日のキャンプに出かける。几帳面で支配的な父、人生に行き詰まる友人、そして二人のあいだで静かに空気を読み続ける娘。穏やかな自然の中で繰り広げられるささやかな会話と沈黙の時間のなかで、サムは“大人の不完全さ”に気づき、自分の内に芽生える違和感と向き合っていく―。主人公サムを演じるリリー・コリアスは、本作で映画初主演を果たし、その繊細な存在感で一躍注目の若手俳優に。サムの父・クリスをジェームズ・レグロス、父の友人マットをダニー・マッカーシーが演じ、リアリティあふれる演技で作品に深みを与える。監督はインディア・ドナルドソン。本作が長編監督デビューながら、カンヌ国際映画祭カメラドール(新人監督賞)にノミネートされ、サンダンス映画祭でも審査員賞候補となるなど、国際的に高く評価された。
今回、感情の揺らぎに引き込まれる6種類のアザービジュアルが解禁された。また、天野千尋(映画監督)、井樫彩(映画監督)、石田真澄(写真家)、大前粟生(小説家)、奥山由之(映画監督・写真家)、小原晩(作家)、金子由里奈(映画監督)、児玉美月(映画批評家)、藤﨑ゆみあ(俳優)、山中瑶子(映画監督)の多様な分野で活動する10人からコメントが到着した。
男たちが聞かない彼女の声を、カメラが静かに聞いている。
男たちが気に留めない彼女のこころを、カメラはつぶさに見つめていて、
言葉にならぬほど小さな棘がわたしにも刺さった。
天野千尋(映画監督)
父とその友人とのキャンプの最中。
主人公の娘の感情がじわじわと変わっていく。
父と娘は確かに親子ではあるけれど、個と個だということをまざまざと感じさせる。親であって欲しい時に親でいてもらえないその瞬間は、身に覚えがある気がして胸がキュッとした。家族だからといって全てわかり合えるわけではない。こうして大人になり、家族という枠組から脱却して自分という個を確立していくんだろう。
井樫彩(映画監督)
人からの目線、誰かとの沈黙の時間、言葉を交わさずとも伝わり気づいてしまうことが散らばっている。
どんな大人よりも敏感に、静かに、周りを見ているサムの描かれ方が素晴らしかったです。
石田真澄(写真家)
17歳のサムは生理による不調を抱えながら、父とその友人と山へ登る。
ジェンダー差に潜む我慢と傲慢ーー
この傑作の穏やかさは、それらがいかに日常的なものであるかを僕らに静かに問いかけてくる。
大前粟生(小説家)
木々のこもれび、川のせせらぎ、鳥のさえずりの間を縫って、気づかぬうちに慎重に張られている緊張の糸。
誰もが知り得る静かな圧迫感と痛切な失望。
あそこまで冷たく響く「沈黙」を僕はあまり耳にしたことがない。すごい映画です。
奥山由之(映画監督・写真家)
大人は、大人ではない。そう気づくとき、受けとめなければならないとき、少女は大人になるらしい。
サムにはまだまだ少女でいてほしいような気がしたけれど、成長などというものは止めようがないから。
小原晩(作家)
森はやさしくない。山登りはたのしくない。
サムが「いい子」を降りたとき、石は味方になり、風はようやく声をかけてくる。帰り道はもう、運転しなくていい。
金子由里奈(映画監督)
仕方ないと諦めていたこと、当たり前だと見過ごしていたこと、大丈夫だと思い込んでいたこと。
『グッドワン』は日々の中でそうして蓋をしていた違和感を肯定し、わたしたちに反旗を翻す勇気を与えてくれる。
児玉美月(映画批評家)
大人の沈黙の影で、子どもがどれほど繊細に世界を感じ取っているのかを思い知らされ、胸が締め付けられた。
必要かどうかだけに縛られず、好きなものをたくさん抱えて歩み出すサムの表情を、いつか見てみたい。
藤﨑ゆみあ(俳優)
少女が無意識のうちに引き受けさせられる、男性たちの感情労働。
なにも起きなかったかのように振る舞われたとしても、取り消すことのできない何かが、彼女の内側に住み着く。
それを「通過儀礼」と呼ぶ世界に、『グッドワン』は静かに、しかし明確に抗う。
山中瑶子(映画監督)
『グッドワン』は2026年1月16日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国で公開
監督・脚本:インディア・ドナルドソン
出演:リリー・コリアス、ジェームズ・レグロス、ダニー・マッカーシー
配給:スターキャットアルバトロス・フィルム
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