映画『楓』クリスマス舞台挨拶が12月25日(木)に新宿バルト9で行われ、福士蒼汰、福原遥、行定勲監督が登壇、北島岬がサプライズ登壇した。

時代を超えて愛される国民的バンド・スピッツの楽曲が、デビュー34年にして初の映画化。「楓」は、1998年にリリースされた8thアルバム『フェイクファー』の収録曲で、同年にアルバムからシングルカットされ、その後数多くのアーティストにカバーされながら、27年が経った今も愛され続ける名曲。ボーカルで作詞・作曲も担当する草野マサムネが綴る歌詞と心揺さぶるメロディーは、聴く人それぞれに寄り添い、大切な人との別れや想い出を包み込む。本作で監督を務めるのは、多様な恋愛映画を手がけてきた行定勲。そして、オリジナルストーリーを書き上げたのは、『ソラニン』『東京リベンジャーズ』などジャンル問わず常に評価される脚本家・髙橋泉。音楽は、藤井風など様々なアーティストの作曲や編曲、プロデュースを務め、優れた楽曲をCM・映画・ドラマなど多方面に提供するYaffleが担当する。大切な人を失う運命に向き合う2人の主人公を演じるのは福士蒼汰と福原遥。

公開から約1週間が経ち、周囲からの反響が寄せられているという福士は、自身の姉が鑑賞した際のエピソードとして「姉が友人と見てくれたらしいのですが、電車での帰り道に『あそこがああだったから、だからか』と思い出すたびにまた泣いたと言っていました」と、映画の余韻が強く残る作品であることを実感した様子で「思い出すたびに泣ける映画になっている」と、身近な人からの熱い感想に手応えを滲ませた。

イベントでは、MCが「みなさんの写真を撮りたいというサプライズゲストの方がいらっしゃっています」と告げると、「写真を?」と驚いている様子の福士。さらにMCが「会場内にいらっしゃっています」と明かすと記者席にいた須永涼/恵の学生時代を演じた北島岬が立ち上がり、福士は「どこどこ?あー!岬くん!」と満面の笑みを浮かべていた。さらにステージに上がると、カメラを構えて福士、福原、行定監督の写真を撮る場面も。

北村岬が撮影した写真

北島は「学生時代の涼と恵の役を演じました」と緊張した面持ちで挨拶し、「目があったら気づかれちゃうと思ってこっそりカメラで撮っていました」と照れ笑いを浮かべた。さらに福士と福原に「本当にかっこいいなって…。尊敬すべき俳優の方々だなと思いました」と憧れのまなざしを向ける北島だが、幼いころから福士蒼汰に似てるといわれることがあったようで「こうして実際に福士さんの小さい頃(の役)をやったというのは、運命的だなと個人的に感じています」と、憧れの存在との共演に感慨深げな表情を見せた。これに対し福士も「素晴らしかったです。そういう(似ているという)意見も多いみたいで」と笑顔を見せた。

行定監督は「福士くんと福原さんに高校時代の芝居をやってもらって、それを録音したものを(北島に)完コピしてって」と、撮影の裏側を明かしたが「完コピしても(本人には)ならないけれど、それでいい。その成果というか、ちゃんと若い頃の二人がいた」と称賛し、「大人になった二人の裏づけになる。説得力が増してすごくよかった」と語った。また、福士からは写真を撮る際のカメラの構え方をアドバイスしたそうで、実際に2人がその様子を再現。福士は「カメラを構えていると(顔の一部が)隠れるから余計似てると思う」と明かし、福原は「笑い方が似てる」と笑顔を見せた。

また、イベントでは2026年の抱負を発表。「一生懸命」と書いた北島は「福士さんや福原さんのような俳優になりたいと目指していく中で、目の前のことを一生懸命努力して、これからいただける役も一生懸命生きていけたら」と力強く宣言した。一方、「カメラ技術の向上」と豊富を掲げた福士は「カメラは楽しいなと思った。僕は(演じた)涼くんと同じで人を撮るのが好き。何かに集中している方や、人の笑顔を撮るのが好きだなと思ったので、技術を向上させて人の笑顔をたくさん記録できたら」と、役柄と自身を重ね合わせながら語った。「吸収と成長」と書いた福原は「まだまだ足りてないなと感じた一年だったので、いろいろ身につけたいなと思っていて。引き出しを増やして。今回ニュージーランドに行って英語を話すシーンで、福士さんはペラペラで助けてもらったんですけど、来年こそは英語もちょっとずつできるようにとか、いろんな吸収ができる一年になったら」と語った。最後に福士は「この映画は見れば見るほど味が出る、見方が変わる作品」「何回も見ていただいて、流れるスピッツさんの『楓』を劇場で体験してほしい」とメッセージを送った。

【写真・文/河野康成】

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『楓』は全国で公開中
監督:行定勲
出演:福士蒼汰、福原遥
 宮沢氷魚、石井杏奈、宮近海斗
 大塚寧々、加藤雅也
配給:東映 アスミック・エース
©2025 映画『楓』製作委員会