作家・永井紗耶子原作の小説を主演:柄本佑×共演:渡辺謙で源孝志監督が映画化した『木挽町のあだ討ち』の場面写真が解禁された。

第169回直木賞・第36回山本周五郎賞をダブル受賞した永井紗耶子の傑作時代小説『木挽町のあだ討ち』を映画化した本作。芝居小屋を舞台に、仇討ちの裏に隠された真実を描く本作は、『このミステリーがすごい!2024年版』『ミステリが読みたい!2024年版』などにも選出され、2025年には歌舞伎としても上演され大きな話題を呼んだ。主演は柄本佑。仇討ち事件の真相を追う田舎侍・加瀬総一郎を演じる。共演に渡辺謙が芝居小屋「森田座」で謀略を巡らせる立作者・篠田金治を重厚に演じ、仇討ちを遂げた若者・菊之助には長尾謙杜、主人を殺した男・作兵衛には北村一輝。そして瀬戸康史、滝藤賢一、山口馬木也、愛希れいか、イモトアヤコ、野村周平、高橋和也、正名僕蔵、石橋蓮司、沢口靖子ら豪華キャストが集結。監督・脚本は、時代劇の名手・源孝志が務め、日本映画界が誇る実力派キャストとスタッフが集い、“あだ討ち”をめぐる極上の江戸ミステリーを描き出す。

今回公開された場面写真には、仇討ち事件の真相を知るため江戸・森田座を訪れた田舎侍・加瀬総一郎(柄本佑)の姿をはじめ、芝居小屋の立作者・篠田金治(渡辺謙)が見せる重く含みのある佇まい、そしてすべての発端となった、菊之助(長尾謙杜)と作兵衛(北村一輝)が睨み合い、揉み合う仇討ちの瞬間が切り取られている。

父の仇を討つため、刀を振り上げる菊之助の覚悟に満ちた姿。一方で、清左衛門を手にかけ、その息子・菊之助によって仇討ちされることになる無法者で博徒の大男・作兵衛の存在もまた、単なる“悪”として片付けられない影を物語に落としている。雪の夜に起きたあの仇討ちは、本当に語られてきた通りの出来事だったのか—。

さらに森田座の個性豊かな面々が一堂に会し、総一郎が話を聞く場面からは、芝居小屋という場所に集った人々が、それぞれに事情と秘密を抱えて生きていることが滲み出る。類稀なる人たらしぶりで、木戸芸者・一八(瀬戸康史)から話を聞き出していく総一郎や、涙を流す菊之助、歌舞伎の舞台に立つ金治の姿など、仇討ちという出来事の裏側で、それぞれが背負ってきた人生や感情の断片も写し出されている。

ミステリーとしての緊張感と、群像劇としての厚みを併せ持つ本作。美談として語り継がれてきた仇討ちの夜に、本当は何があったのか。その“もう一つの物語”が解き明かされていく過程を、今回解禁された場面写真からも垣間見ることができる。

そうした人々の証言をつなぎ合わせ、観る者を真相へと導いていく存在が、主人公・加瀬総一郎だ。原作では多くを語られない人物だった総一郎は、映画では、森田座に集う曲者揃いの人々と対峙しながら、その都度距離感を変えていく語り部的な役割を担っている。

総一郎を演じた柄本も「(総一郎は)原作の中ではそこまで描かれていない人物ではあるんですけど、とにかく謙さんはじめ、曲者揃いの方々と対峙するところがあって。それぞれの個性がでかすぎて、それぞれ違う映画を撮っているんじゃないかと思うぐらいでした」と語り、「癖の強い方々と相対して、とっても楽しくやらせていただきました」と振り返っている。

『木挽町のあだ討ち』は2026年2月27日(金)より全国で公開
監督・脚本:源孝志
出演:柄本佑、渡辺謙
 長尾謙杜、北村一輝、瀬戸康史、滝藤賢一
 山口馬木也、愛希れいか、イモトアヤコ、野村周平
 高橋和也、正名僕蔵、石橋蓮司、沢口靖子
配給:東映
©2026「木挽町のあだ討ち」製作委員会