萩原利久×古川琴音 W主演『花緑青が明ける日に』の場面カットが解禁された。

日本画家としての活動を軸に、新海誠監督や片渕須直監督など名だたる監督のアニメーション作品に参加し、CMやミュージックビデオなどジャンルを超えて様々な創作活動を行ってきた四宮義俊が、自身のオリジナル脚本で描く、初の長編アニメーション監督作『花緑青が明ける日に』。映画タイトルにある“花緑青”とは燃やすと青くなる緑色の顔料で、かつて花火の材料に使われていたが、美しさと引き換えに毒性を含むことから幻となった。物語の舞台は創業330年の花火工場・帯刀煙火店。再開発による立ち退きの期限が迫る中、幻の花火<シュハリ>とそこで育った若者たちの未来をめぐる2日間の物語を描き出す。声優初挑戦となる若手実力派俳優の萩原利久と古川琴音がW主演を務め、等身大かつ瑞々しい演技で命を吹き込む。さらに時代を代表する傑作を彩り続ける入野自由と、数々の話題作で圧倒的な存在感を放つ岡部たかしが脇を固める。

今回、第76回ベルリン国際映画祭コンペティション部門に正式出品され、世界的な注目を集めている本作より、光と色彩が画面を満たす圧巻の場面カットが一挙に公開された。東京から4年ぶりに地元へ戻ってきたカオル(CV:古川琴音)は、町の再開発によって埋め立てられた入江や無くなりつつある森など、変わり果てた“知らない景色”に戸惑いを覚える。一方、地元に残り続け、町の変化を見つめながら幻の花火<シュハリ>を作り続けてきた敬太郎(CV:萩原利久)と、再開発を推し進める市役所に勤務する敬太郎の兄・チッチ(CV:入野自由)。新たに解禁された場面カットには、そんな幼馴染三人が過ごす夏の終わりの2日間が凝縮されている。

原作・脚本・監督を務めた四宮監督は、地元の花火大会がなくなり、神事にかかわりそうなことや文化事業もあっさり消えてしまうんだと驚いた原体験をもとに、花火をモチーフにした本作の構想をスタートさせた。
さらなるきっかけは、監督のアトリエ前の空き地に出来たソーラーパネルだ。今でこそネガティブに語られることも多いソーラーパネルだが、パネルが広がる景色を見た監督の娘が発した「あれって海?」という言葉から、地元で昔泳いでいた海が埋め立てられて無くなってしまったことを思い出し、「失われた海」と「誤認される海」の対比が物語の核になるのではないかと考えた。失われていく風景を惜しむだけではなく、新たな価値や美が宿る可能性を見出そうとする四宮監督の姿勢が見て取れる。

このように監督自身の経験をエンタテインメントに昇華した本作では、唯一無二の映像表現とともに、町の再開発による環境の変化に揺れるカオルの表情や、花火玉に真剣に向き合う敬太郎、自分たちと町の変化について語り合う幼なじみ三人の姿、物憂げな眼差しを浮かべるチッチの存在が、繊細な感情の機微とともに映し出されている。
一度は別々の道を選びながら、それぞれの強い想いを胸に再会を果たす幼なじみたちについて、四宮監督は「地元に埋もれていた可能性の塊として描いた敬太郎」「アクティブで少し自己顕示欲が強く、作中でリアクションを担うカオル」、「市役所と家の都合に挟まれて葛藤するチッチ」の三人が織りなす関係性が面白いと語る。

それぞれの理想と、打ちひしがれる現実にぶつかり合いながらも、幻の花火<シュハリ>を打ち上げるために走り続ける三人の姿が、色彩豊かで緻密な映像表現によって丁寧に描かれ、郷愁を誘いながらも観る者の魂を揺さぶる、鮮烈な場面カットとなっている。物語がクライマックスを迎えるラスト10分、心に染み込んで忘れられない景色があなたをスクリーンで待っている。次世代の才能が集結したこの春、最も胸を熱くさせる青春物語に注目だ。

『花緑青が明ける日に』は2026年3月6日(金)より全国で公開
原作・脚本・監督:四宮義俊
声の出演:萩原利久、古川琴音、入野自由、岡部たかし
配給:アスミック・エース
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