『エヴァンゲリオン』シリーズ初のフェスイベント「EVANGELION:30+; 30th ANNIVERSARY OF EVANGELION」(2月21日(土)~23日(月・祝)/横浜アリーナ)にて、2月22日(日)の「EVANGELION FLASHBACK」にて高橋洋子SPECIAL LIVEが行われ、さらに緒方恵美(碇シンジ役)、林原めぐみ(綾波レイ役)、宮村優子(アスカ・ラングレー役)、三石琴乃(葛城ミサト役)、山口由里子(赤木リツコ役)、石田彰(渚カヲル役)、立木文彦(碇ゲンドウ役)、岩永哲哉(相田ケンスケ役)、岩男潤子(洞木ヒカリ、鈴原ヒカリ役)、長沢美樹(伊吹マヤ役)、優希比呂(日向マコト役)、大塚明夫(高雄コウジ役)、大原さやか(長良スミレ)、伊瀬茉莉也(北上ミドリ役)、勝杏里(多摩ヒデキ役)、山寺宏一(加持リョウジ役)、庵野秀明、鶴巻和哉、前田真宏が登壇した。

1995年のTVシリーズ放送で社会現象を巻き起こした『新世紀エヴァンゲリオン』。シリーズ30周年を迎えた2025年には映画館リバイバル上映「月1エヴァ」企画が公開され、30周年記念展「ALL OF EVANGELION」が行われるなど様々な施策を実施。そして、アニバーサリー企画の集大成として2026年2月21日(土)~23日(月・祝)の3日間にわたり横浜アリーナで『エヴァンゲリオン』シリーズ初のフェスイベント「EVANGELION:30+; 30th ANNIVERSARY OF EVANGELION」が開催される。

ステージでは、冒頭から「暫し空に祈りて」「幸せは罪の匂い」を2曲続けて披露。大歓声が沸き起こる中で、高橋は「みなさまがいてくださったからこそのエヴァ30周年ライブ。みなさんの愛とサポートによって私たちが支えられています」と会場に駆けつけたファン、また配信で視聴しているファンに向けて感謝を伝えた。

さらに「罪と罰 祈らざる者よ」を披露したところで、高橋は「1995年10月4日スタートしたテレビシリーズ。その時のエンディングの曲が私と『エヴァンゲリオン』の出会いでした」という紹介から「FLY ME TO THE MOON 2020」を披露し、高橋の歌声に観客は聞き入っていた。

『エヴァンゲリオン』30周年を記念して開催されている本イベントだが、高橋が「『エヴァンゲリオン』がスタートした時、まだ生まれてなかったという人もいるんじゃないかな?」と観客に問いかけると、会場にはサイリウムを振る姿が目立ち、これには高橋も「こんなにたくさんいるの!?」と驚きを隠せない様子。

そんな高橋は、続けて「『魂のルフラン』を出したのが1997年で、そのカップリングにした曲を2020年にアレンジし直しまして。若い皆さんにもお耳に合うようにさせていただいたので、その曲をお届けしたいと思います」と紹介し、「心よ原始に戻れ 2020」を歌唱した。

さらに「魂のルフラン」では会場中がペンライトの赤い光に染まり、曲の途中では“ロンギヌスの槍”するなど会場を沸かせた。また、アンコールの声援を受けて登場した高橋は松任谷由実による横浜アリーナの杮落とし公演でバックコーラスを務めていたことを振り返り、「今日はフロントに立たせていただけているということが不思議な感じもする」と感慨深げな様子を見せた。

「人生って不思議だなと思います。きっと続けている人は諦められなかった人が続けていて、その場所に立っていくのかもしれません。夢は見るのはただですから。みなさん好きなだけたくさん夢を見て、たくさん楽しんで、歳をとるのって楽しいよとお伝えしたい」とメッセージを送った。そしてアンコールでは「Teardrops of hope」に続き、「残酷な天使のテーゼ」を『エヴァンゲリオン』の映像とともに歌唱し、最高潮の盛り上がりを見せた。

ライブ後にはキャスト陣がステージに登場し、イベント2日目を振り返った。山寺は「1人40秒と言われているんですが」と笑いを誘いつつ、「『エヴァンゲリオン』がたくさんの人に愛されていることを実感した2日間でした。偉大なる作品にかかわることができて本当に幸せ」と感謝を述べた。また、30周年という月日に触れ「10周年区切りでこういうフェスをやると年齢的にきついので、ぜひ5年おきくらいにやっていただけると」と話すと、会場は大歓声に包まれた。続いて勝、伊瀬が登壇し、伊瀬は高橋洋子のライブの盛り上がりを舞台袖で見ていたようで「『残酷な天使のテーゼ』が始まった瞬間に前にいらっしゃる先輩方の背中が一瞬にして30年前にタイムリープしたような感覚に陥って。みなさんどんな思いでこの歌を聴かれて、どんな想いでこの時間を過ごしていらっしゃるんだろうと。それを見て私は胸がいっぱいになってしまって」と興奮気味に語った。

長沢は高橋のライブや客席のペンライトの光景に感動し、「『エヴァンゲリオン』が人生の中にものすごい大きさで刻まれていると実感しています」と吐露した。岩男は「皆さんの愛情を感じながらこの場に立たせていただけることに胸がいっぱい」と感慨深げな様子だった。立木は今回のフェスを通じて「テレビシリーズの画が未だに新しい」と作品の偉大さを再確認していた。

赤木リツコ役の山口は「30年の『エヴァ』への想い。私は人類のためにミサトとすごい戦ったなって(笑)感謝しかないです」と振り返り、「『エヴァ』に会わなかったら私は声優をやっていないというのは絶対にそうです。本当にありがとうございました」と熱い想いを語った。三石は「皆さん、『エヴァ』たくさん浴びられましたか?私も実はたくさん浴びてしまっていて」といい、楽屋でキャスト陣で話す時間あったようで「30年前の話が出たり、今こんなことがあるよという話が出たり。あの時こうだったんだよという話がでたり」と明かし、「昔は痛かったり、苦しかったり、つらいんだけど、今は痛気持ちいい(笑)」と笑いを誘った。

宮村は「今日一番楽しかったのは朗読劇。このメンバーで一緒にお芝居をできることはないので」と笑顔を見せた。林原は「好きって気持ちはすごいなと本当に思いました。好きは自分の中で大切にしていけることだし、人にも伝えられること。これからも『エヴァンゲリオン』30周年ですけど、みんな一緒に愛していきましょう」とメッセージを送った。

緒方は個性豊かなトークを繰り広げた共演者たちを見渡し、「どうですかこの自由な人たち。最高です、本当に最高です」と笑顔を見せた。自身にとってテレビシリーズでの初主役作品だったという本作。30年が経過し、座長として振る舞う経験も培ってきたと述べつつ、「明日の最終日は座長として締めなければいけないと思いますが、今日は自由な人たちがたくさんいらっしゃるので、少し甘えさせていただきたいと思います」と語り始めた。

「いろんな人が本当に緻密に、いろんなことをやってきているから、この作品にはリアリティがある」と敬意を表した上で「真ん中に立たせてもらった」と想いを馳せた。そんな緒方はカラオケに行くとよく『残酷な天使のテーゼ』が歌われるがあり、その際にテレビシリーズの映像が流れると、周囲が盛り上がる中で「私は一人で密かに泣いているんです」と告白した。その理由について、当時は「心細くて、一人でスタジオの真ん中にいて。心を閉ざして、周りの役者さんとも話さないようにして」と役作りのために一人でスタジオに居た当時の心境を吐露した。

「普通の人は嫌なことは忘れていくんですが、私は刻んでしまって、それがいつでも返ってくる」と語る緒方は「映像を見るたびに自分のもうひとつの14歳の記憶と言っているんですけど、その時の気持ちになってしまって」と明かした。さらに「『シン・エヴァ』が終わった時に、私だけ一人フィルムの中に取り残されてた気分だったという話をさせてもらったんですけど、今でもそのような気分で。自分だけが映像の中に14歳の気持ちのままでまだ残っているというのが今日も思い知らされて」と吐露。「この気持ちをずっと繰り返して、多分死ぬ瞬間まで持っていくんだろうな」と、役と共に背負ってきた痛みを表現した。

緒方はそれを「私にとってのエヴァの呪縛」だと表現しつつ「その呪縛があるから、まだ若い役をやらせていただけている」とコメント。そして「担当させていただいて、今でもこの気持ちを抱えてここに立てる。私が本音をしゃべっても大丈夫な人たちと一緒にここに立って、一緒にシンジとして芝居ができて、それを見てくださったみなさんと共有ができたというこの時間が、本当にありがとうございました」と、涙ながらに語り、会場は大きな拍手に包まれた。

▼セットリスト
M1.暫し空に祈りて
M2.幸せは罪の匂い
M3.罪と罰 祈らざる者よ
M4.FLY ME TO THE MOON 2020
M5.心よ原始に戻れ 2020
M6.無限抱擁
M7.魂のルフラン
M8.what if?
M9.赤き月
M10.Final Call
EN1.Teardrops of hope
EN2.残酷な天使のテーゼ

【提供写真、文/河野康成】

「EVANGELION:30+; 30th ANNIVERSARY OF EVANGELION」は2026年2月21日(土)~2月23日(月・祝)に横浜アリーナで開催
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