小さな世界はワンダーランド

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 小さな動物が迷い込むおとぎ話のような世界

これまで『アース』『ライフ―いのちをつなぐ物語―』『ネイチャー』など、膨大な撮影期間と最新の機材を駆使し、驚きの大自然を描き続けてきたBBCアースが、『トイ・ストーリー』『ファインディング・ニモ』『モンスターズ・ユニバーシティ』など夢と希望がたくさん詰まった作品を世界に送り続ける”ピクサー・スタジオ”の協力を得て、新たなドラマチック・ドキュメンタリーというジャンルを生み出した。その第1弾となるのが本作『小さな世界はワンダーランド』!シマリスとスコーピオンマウスという2つの小さな動物の視点でとらえた、まるでおとぎ話の中に迷い込んだような世界。そこで2匹が成長していく様を、これまで誰も見たことのない上質な映像と、誰もが園世界に浸りこめる極上のハートウォーミングなストーリーで描き出している。

小さな世界はワンダーランド

 44分に込められた、はじめて踏み込む不思議な世界

神秘的な原生林に住む子シマリスと、見渡す限り空っぽな砂漠に流れついたスコーピオンマウス。彼らは大人になるために、生まれて初めて家族と離れ、不思議の世界へ歩を進める。そこは、まるでおとぎ話の世界。しかし、このおとぎの国には、色彩豊かな生命たち以外にも常にキケンが付きまとう。おとぎ話でも悪役の彼らより大きなクマやオオカミ、そして、いのちを狙うハンターたち、さらにははじめて過ごす厳しい冬。彼らの世界を生き抜くこと、そして大人になるのは一大事。初めて勇気をふりしぼり、確かな一歩を踏み出す、小さいけれど世界一大きな成長物語――。

小さな世界はワンダーランド

 2匹のキャストたち

 シマリス(正式名称:トウブシマリス)
生息地:温帯落葉樹林―北東アメリカ
全身を麻痺状態にすることで体温を33度から5度にまで下げ、冬の厳しい寒さを乗り越える。地中の穴に隠れているシマリスは、定期的に麻痺状態から目を覚まし、秋の間にこつこつと蓄えておいたドングリを食べる。食べた後は体温を下げ、再び休眠状態に戻り暖かい季節を待ち続ける。シマリスの子どもの生存率は極めて低いため、メスは一度にたくさんの子どもを産む。一度に産まれた10匹の中で、生後2週間を生き抜くことができるのはわずか2匹。熟年とされる3歳に達するのは300匹中1匹。多くの捕食者にとって重要な餌となっているシマリスだが、彼らにとっての苦難は捕食者に襲われることだけではない。
 スコーピオンマウス(正式名称:バッタネズミ)
生息地:砂漠―アリゾナ州ソノラ砂漠
ムカデ類やサソリ、トカゲを餌とすることから、古くから”サソリネズミ”と呼ばれており、肉に対して特別な食欲を持つ動物として知られる。有能な捕食者としての適正を備えており、力強い噛みつきによって自分より大きな獲物にも立ち向かう。人間などの脊椎動物を致死させるサソリの毒に対して耐性を持っている。それどころか、バークスコーピオンの毒においては、とげに刺される際の痛みを軽減する機能を持っている。後ろ足で立ち、頭をのけぞらせ、甲高い声で”遠吠え”をする。この行為は他社に自らの縄張りを示す際や、獲物を殺す直前によく見られる。速度を落として聞くと、オオカミが吠えるときの声に似ている。

小さな世界はワンダーランド医

 初めての人にもおすすめ!

本作は今まで”大自然”を描いていたBBCアースが、人間の足元くらいの”小さな動物”を描いている。そのために機材やレンズも新たに開発し撮影を行った。見てみると、このシーンはCGなのではないか、とも思ってしまうほどリアルすぎる動物たちが描かれている。そう、まるで自分が小動物の世界にいるように。そのために素晴らしいオーケストラの音楽も用意されている。わずか44分の作品にかけられた、努力と知恵は私たちを間違いなく感動させる。今までネイチャードキュメンタリーを見たことがない人でも見やすい長さなので、ぜひこの機会にご覧いただきたい作品です!

小さな世界はワンダーランド

2015年5月9日(土)TOHOシネマズ新宿ほか全国順次公開

原題:Tiny Giants
2014年 / イギリス / 44分
配給:ギャガ
監督・脚本・製作:マーク・ブラウンロウ
脚本・製作:マイケル・ガントン
ナレーション:斎藤 工

© BBC 2014

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