ハッピーエンドの選び方

レビュー

『ハッピーエンドの選び方』

イスラエルで生まれた、死を描いたユーモラスな作品

イスラエルのエルサレムにある老人ホームで暮らしていた発明好きのヨヘスケル(ゼーブ・リバシュ)とその妻レバーナ(レバーナ・フィンケルシュタイン)だが、ある時親友が望まぬ延命治療に苦しむ姿を見て、助けたい一心で自ら最期を迎える装置を発明する。軽いユーモアを交えながら、時に愛を語り、時に死を語る、その絶妙な構成が感動を呼ぶ映画だ。日本から遥か遠いイスラエルで生まれたこの映画は、”生について”世界中に問いかけている。

主人公となるヨヘスケルは発明好き。家中に自ら発明した機械が点在している。しかもそれは妻のためであったり、親友のためであったり、とにかく”良い人”なのだ。だからこそ、親友の苦しむ姿に、結果的には苦しまずに延命治療を中止させる装置を発明することになる。老人ホームという、同年代が集まって暮らす場でこのような装置は危険であることは誰の目にも明らか。本作では、そんな老人ホームをコミカルに描いている面がある。同性愛だったり、スパイ大作戦さながらの危機迫るシーンなど、ハラハラする瞬間もあったり、楽しませる工夫が見られる。

テーマとしては決して明るいものではなく、死を扱っている以上、それをないがしろにすることは出来ない。尊厳死にしても安楽死にしても、死ぬ間際にならないと考えることはあまりないことかもしれないが、本作はあえてそれらを扱うことで、どう思うのかを訴えかけているのだと思う。40代のふたりが本作の監督と脚本を務めたということも覚えておく必要がある。見終わった後にどう感じるか、この作品ほど捉え方が異なる映画はないだろう。

(text:編集部)

『ハッピーエンドの選び方』
(原題:The Farewell Party)
2015年11月28日(土)よりシネスイッチ銀座ほか全国で順次公開!
イスラエル/2014年/93分
脚本・監督:シャロン・マイモン、タル・グラニット  
出演:ゼーブ・リバシュ、レバーナ・フィンケルシュタイン、アリサ・ローゼン、イラン・ダール、ラファエル・タボール
配給:アスミック・エース

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