『MERU/メルー』レビュー

レビュー

難攻不落のルートに挑む、3人のクライマーたちのドラマ

ナショナル・ジオグラフィックの山岳カメラマンであるジミー・チンを初めとした3人の一流クライマーたちが過酷なヒマラヤ山脈メルー中央峰にそびえるシャークスフィンに挑むドキュメンタリー映画。ドキュメンタリー映画と書いたが、本作が単なる山岳ドキュメンタリーではないことは本編を観れば一目瞭然だ。本作は、山に興味がなくても違和感なく観ることができ、また3人のクライマーたちと体験を共にすることができる。これは、まさにリアルな人間ドラマだ。

本作の特徴は、何と言ってもその大自然のリアルな迫力と、登頂するまでの道のりを、まるで自分のことかのように感じられる映像だろう。それは、本作の監督を3人のクライマーのうちの1人であるジミー・チンが務めていることが大きいだろう。ジミーを含め、コンラッド・アンカー、レナン・オズタークの3人による挑戦と失敗、そして再挑戦はまるでドラマ作品のようだ。彼らの思いはこの一本の中に凝縮されており、その表情や会話などからも彼らの決意、そしていま登る意味というものが伝わってくる。その展開からは、この作品がドキュメンタリーであることを忘れ、“実話を元にした映画”とつけたくなるほどだ。

映像としての見せ場は多々ある。足場がほとんど存在しない450メートルに及ぶ“壁”を登ることがどれだけ大変なことか、標高6100メートルを超えた岩壁で夜を明かすにはどうするのか、恐らくほとんどの人が知ることがないであろうそれらの答えがこの作品には詰まっている。それは驚異の連続と言っていいだろう。そして、最大の見どころは、“友情”、“希望”、“冒険”といった、山を通じて考えさせられる、人生の意味かもしれない。

(text:編集部)

映画『MERU/メルー』は2016年12月31日(土)より新宿ピカデリー、丸の内ピカデリー、109シネマズ二子玉川ほか全国で順次公開!
監督:ジミー・チン、エリザベス・チャイ・バサヒリィ
出演:コンラッド・アンカー、ジミー・チン、レナン・オズターク、ジョン・クラカワー、ジェニー・ロウ・アンカー、エイミー・ヒンクリー、グレース・チン、ジェレミー・ジョーンズ、ショーン・アーロン
配給:ピクチャーズデプト
2015年/アメリカ/91分

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