『ママは日本へ嫁に行っちゃダメと言うけれど。』作品レビュー

  • HOME »
  • レビュー »
  • 『ママは日本へ嫁に行っちゃダメと言うけれど。』作品レビュー

レビュー

ジエン・マンシューのキュートな演技に笑顔があふれる94分間

2011年の春、日本が震災に襲われた直後、台湾女子リンちゃんから日本男子モギサンにFacebookを通じて暖かいエールが送られた。そこから始まった二人の物語。二人は台湾で初めて会い、いつしか距離が縮まっていった。Facebookを通じて起きた実話をまとめたモギサン&モギ奥さんの同名書籍を原作に、台湾と日本でのロケを敢行して映画化した。モギサン役を中野裕太、リンちゃん役をジエン・マンシューが演じる。さらに台湾在住の日本人俳優も加わり、リアルな台湾の生活シーンが描かれている。

谷内田彰久監督が「途中でトイレに行っても結末は変わらない」と言っている通り、大きなハプニングが起きるわけでもなく、あくまでモギサンとリンちゃんにとっての“日常”が描かれている。実際の二人はそのまま結婚にまでたどり着くが、誤解を恐れずに言えばその過程を淡々と映し出しているだけなのだ。それでも本作が魅力的なのは、間違いなくそのキャスティングにある。天真爛漫で、とにかく元気がよくてキュートなリンちゃんを演じるジエン・マンシューは、台湾の映画賞で最優秀助演女優賞にノミネートされるなど実力派女優。本作では、必死に日本語を話そうとする姿や、モギサンとの距離に悩む姿が観る者の心をくすぐること間違いない。次々と出てくるとにかくかわいいファッションを含めて、本作を観てファンになる方も多いのではないだろうか。そして、リンちゃんの相手役となるモギサン役を演じる中野裕太は、一転してとにかくクール。リンちゃんのペースに流されまいとしながらも、心の奥底に秘めたほのかな想いを表情から読み取ることが出来る素晴らしい演技を見せている。そんな二人は観ていて、ついつい応援したくなってしまうし、気が付くと顔がにやけてしまっている。

また、ericka hitomiが歌う主題歌「ハンブンコ」も物語を“しっとりと”彩っている。94分間、大きなハプニングもない本作を観終わった後には、台湾へ行き、タピオカミルクティーを飲みながら街中を散歩したくなる、今どきの胸キュン映画とは一味違う、海を越えたちょっぴり大人なキュンキュン映画が誕生した。

(text:編集部)

映画『ママは日本へ嫁に行っちゃダメと言うけれど。』は2017年5月27日(土)より新宿シネマカリテ、ユナイテッド・シネマ アクアシティお台場ほか全国で順次公開!
監督:谷内田彰久
原作:モギサン&モギ奥さん「ママは日本へ嫁に行っちゃダメと言うけれど。」(新潮社)
出演:ジエン・マンシュー、中野裕太、ワン・サイファー、蛭子能収、リン・メイシュー、大谷主水、岡本孝、与座重理久
配給:朝日新聞社/アティカス

©“Mamadame” production committee

PAGETOP
© CINEMA Life!