『ニュー・クラスメイト』Q&A

 長編部門(国際コンペティション)
 『ニュー・クラスメイト』

廃止されたはずのカースト制度が潜在的に残るインドのある都市に住む母子を描いた本作は、数多くの広告賞を受賞し、2013年に短編映画を発表したアシュヴィニー・アイヤル・ティワーリー監督の長編デビュー作。今回、ティーチイン(Q&A)には本作のプロデューサーであるアジャイ・G・ライが登壇した。

―本作はダンスと音楽があるいわゆるマサラムービーではありませんが、本作のような映画はインド国内ではどのようなところで上映され、どれくらいのお客さんが来ていますか?
アジャイ 本作は、興行のトップに入るような劇場で上映されました。観客側も変わってきているので、このような映画も受け入れられています。とても評判がよかったと思います。母と娘でよくいらしていました。チケットが少し高いので、中間層というよりはお金に余裕がある人が好んで見ていたような気がします。単館ではなく、シネコン型の劇場で上映されていました。

―劇中で「メイドの子はメイド」というセリフがありますが、これはカースト制度が影響しているのでしょうか?
アジャイ カースト制度と非常に関係があって、子どもは父親が何をしているのかを見て育っているので、父親の職業になりたいなと自然と思うようです。それにとらわれないで、道を開けるように努力した人にはチャンスがないというわけではなく、この映画のようになりたい職業になれた人もいます。

―たくさんの子どもが出演していますが、どのようにキャスティングしましたか?
アジャイ 基本的に有名なキャスティングディレクターがやっているのですが、本作はデリーのような大都市ではなくて少し地方の都市のお話ですので、ヒンディー語と言っても少し訛りがあります。子どもは演技の上で訛りを獲得できないので、オーディションの時点から(都市から)少し離れたところで行いました。TVドラマもたくさんやっているので、潜在的に子役をやりたいという子どもはたくさんいました。本作のアシュヴィニー・アイヤル・ティワーリー監督の旦那が有名な監督で、本作では少し方言が入っていますが、その脚本は彼が書きました。

―インド映画はだいたいがシネスコサイズですがなぜですか?
アジャイ 劇場の事情ですべてシネスコサイズで撮ります。それ以外のサイズやモノクロで撮ることは(需要と供給の意味で)考えていません。

―本作には歌と踊りの要素がありませんが、観客からの要望はありませんか?
アジャイ 実はインド版には歌と踊りのシーンがありました。インターナショナル版にはないのですが、BGMとして残しました。長さは5分くらいです。音楽に合わせて口パクで歌うようなシーンがなくなっています。インド版とインターナショナル版は、歌をBGMにしただけで、ストーリーは変えていません。

―制服を着ているときに女性が白い布を肩から掛けていましたがどういう意味がありますか?
アジャイ インドの人は普通の時もつけているスカーフで、劇中の白いものは制服用です。名前はドゥパッタと言います。

―母親と勤め先の医者の奥さんがすごくいい関係ですが、メイドとあのような関係になることはよくあることなのでしょうか?
アジャイ うちの妻もそうですが、メイドと奥さんはいい関係になります。

―最後にメッセージをお願いします。
アジャイ 良い映画が作れて、現実を描くことができて幸せです。それ以上何かありますかと言われたら、初めての登壇なのでこれ以上は・・・(笑)

アジャイ・G・ライ(プロデューサー)

アジャイ・G・ライ(プロデューサー)

アジャイ・G・ライ(プロデューサー)

アジャイ・G・ライ(プロデューサー)

アジャイ・G・ライ(プロデューサー)(写真中央)

アジャイ・G・ライ(プロデューサー)(写真中央)

(C)Films Boutique

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