『ゾンビ・ガール』

シッチェス映画祭 ファンタスティック・セレクション2015
《シッチェス映画祭 ファンタスティック・セレクション2015》『ゾンビ・ガール』

ゾンビ映画が好きです、と言うと、大抵苦笑いで「ええーっ?!」という反応をされる。それで、「ゾンビ(映画)どうですか?」と聞くと「えっ!見ないよ!」とか「ちょっと無理…」と言われる。たまに好きな人もいるけど、大概はそんな反応だ。こないだ知人に聞いたら、「ゾンビが走らなければなんとか(見れる)…」と言われて、なんか斬新だな…と思った。そこなんだ、と(笑) で、本作のゾンビなんですけど、走りません。安心して下さい(笑)

ホラー映画が大好きでホラーショップに勤めるマックスはいつか自分の店を持つのが夢。美人でカラダの相性バッチリな恋人のエヴリンとはラブラブで、一緒に暮らすことになり張り切るが、暮らし始めると彼女の束縛とワガママに振り回されるようになる。耐えられなくなったマックスはエヴリンに別れを切り出そうとするが、その直前、彼女は事故死してしまう。悲しみに暮れるマックスだったが、その後趣味の合う女性オリヴィアに出会い、いい雰囲気に…。しかしそんな中、部屋に突然死んだはずのエヴリンが押しかけてきて…。

ゾンビに対する恐ろしさって、色々あるけどやっぱり「意思の疎通が出来ない」ってところだと思うんですよね。話が通じないから、もう敵でいるしかない。その分こちらから容赦無く攻撃出来る利点(?)もあって、そこら辺がゾンビ映画のスカッとする所でもあるんですけど、この映画に出て来るゾンビ(エヴリン)は、普通に会話も出来るし、突然襲っても来ないんです。ただ、「永遠に一緒にいましょうね(はあと)」と迫ってくるだけ。まあ永遠に一緒にいるにはマックスもゾンビになるしかないんですけど。エヴリンの怖さはそこ(ゾンビである)にはありません。

自分の思い通りにならないとヒステリーを起こす。突然怒り出して手が付けられない。合わない趣味を押し付け、こちらの趣味や都合には無関心。ヤキモチを通り越して嫉妬で雁字搦め。という「生きてる女子のイヤな所」にゾンビを上乗せ、なんです。これ、男の人はブルるだろう…。

ゾンビってビジュアルが怖いじゃないですか。エヴリンもだんだん腐ってきて顔も崩れてくるんですけど、そこの気持ち悪さや怖さはなぜかだんだん気にならなくなって来て、ただひたすらストーカーな態度の方が恐ろしく感じてしまうところがこの作品の面白い所かな。

(text:Hiro Sano)

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