『チャップリンからの贈りもの』チャップリン遺体誘拐事件という信じられない実話を映画化した『チャップリンからの贈りもの』の公開を記念したイベントに舞台「ライムライト」で主役を務めた俳優・石丸幹二が登壇した。

7月18日(土)より公開中の映画『チャップリンからの贈りもの』は、1978年に発生したチャップリンの遺体を誘拐した事件を元に、チャップリンの遺族が全面的に協力し描かれた。『黄金狂時代』『街の灯』などのチャップリン映画の名シーンが散りばめられ、また『ライムライト』のテーマ曲を巨匠ミシェル・ルグランがアレンジしているなどまるで現代のチャップリン映画のような作品。今回は、チャップリンの名作を世界で初めて舞台化した『ライムライト』で主役を務めた石丸幹二と、日本チャップリン協会会長の大野裕之が登壇し、世界初公開となるチャップリンが主演・監督を務める『街の灯』のメイキング映像を一緒にスクリーンで見ながら舞台や映画についてを語った。

事件のことを「知らなかった」という石丸に対して大野は「当時ヨーロッパではよくあったこと」と、遺体が盗まれることが多く発生していたという衝撃の事実を話した。この映画はその事件をコミカルな2人の主人公を用いて描いているが、「チャップリンは気持ち悪い話が好きだから喜んだんじゃないか」と大野。好きなシーンはと聞かれた石丸は「かわいいお嬢ちゃんが出てくる。"お父さんの気持ちとしては)その子のためなら墓掘っちゃう」と笑いを誘った。

本作ではチャップリン映画へのオマージュがたくさん含まれているが、これから見る人にぜひチェックしてほしいところはと聞かれた石丸は「サーカスのシーン。オマージュではないが(実際にサーカスの仕事をしている)息子が出てくる」と、大野は「チャップリンの『サーカス』では馬に追われてサーカスに入るが、映画ではどうなっているのか」と同じくサーカスのシーンをあげた。

続いてチャップリン映画『街の灯』のメイキング映像を大野の解説付きで上映した。チャップリン映画のメイキング映像は非常に珍しくわずか3つしかないうちの1つとのこと。今回上映されたメイキング映像にはチャップリンが演技指導をしているシーンが映されているが、これについて大野は「撮影現場はうるさく、キスシーンがあるとみんなひゅーひゅーと騒ぐ」とサイレント映画ならではの撮影現場の様子を語った。石丸は「スタートしたら無音なのが当たり前なので新鮮」とコメント。

最後に俳優としてのチャップリンをどう思うか聞かれた石丸は「いつまでも見続けたい。テキストでありバイブル」と答えた。

映画『チャップリンからの贈りもの』はYEBISU GARDEN CINEMA、シネスイッチ銀座ほか全国で順次公開中!