『アレクセイ・ゲルマン監督特集』本年3月に遺作『神々のたそがれ』が劇場公開されたロシアの巨匠、アレクセイ・ゲルマンの全作品を上映する特集上映「すべてみせます アレクセイ・ゲルマン監督特集」が9月に渋谷・ユーロスペースで開催されることが決定した。

本特集上映では、アレクセイ・ゲルマン監督が遺した5作品を貴重な35ミリフィルムで上映する(『神々のたそがれ』のみデジタル上映)。アレクセイ・ゲルマンは1965年に「労働者開拓地」で助監督、1967年に「七番目の道づれ」で共同監督、そして1971年に作家である父ユーリー・ゲルマンの小説を映画化した初の監督作品『道中の点検』を発表したが、本作は1986年まで上映を禁止された。15年の歳月をかけて製作した『神々のたそがれ』の完成を待たずに2013年2月、サンクトペテルブルクで逝去。

本特集上映で上映されるのは下記の5作品。
(監督はすべてアレクセイ・ゲルマン)

『道中の点検』
1971年/ソ連/97分/モノクロ
出演:ロラン・ブイコフ、ウラジーミル・ザマンスキー、アナトーリー・ソロニーツイン
父ユーリーの小説を映画化したゲルマン初監督作。独軍占領下のソ連北西部、ロコトコフ隊長率いるパルチザン小隊に、一度は敵に寝返りながらそれを悔いて償いたいという元ソビエト軍伍長ラザレフが投降してくるが…。独特のドキュメンタリー・タッチで描かれる、息のつまるようなサスペンス。過酷な状況の中で、友情、信頼、裏切り、反目といった人間の根源的なテーマが浮かびあがる。

『道中の点検』

『戦争のない20日間』
1976年/ソ連/102分/モノクロ
出演:ユーリー・ニクーリン、リュドミーラ・グルチェンコ、アレクセイ・ペトレンコ、ミハイル・コノノフ
従軍記者ロパーチンが、戦線からはるか後方の故郷タシケントで過ごす20日間の休暇を淡々と描く。彼はこの地で妻との離婚手続きを進め、自分が書いた戦従軍記を基にした映画の撮影現場を訪れるが、演出をめぐって監督らと衝突する。そんな中彼は、ある女性と再会し恋に落ちるのだった。シモーノフの小説を原案に、戦争の傷跡が色濃くのこる町で描かれる成熟した大人の愛の物語。

『戦争のない20日間』

『わが友イワン・ラプシン』
1984年/ソ連/98分/モノクロ(パートカラー)
出演:アンドレイ・ボルトネフ、ニーナ・ルスラーノワ、アンドレイ・ミローノフ、アレクセイ・ジヤルコフ
1930年代半ば、スターリンによる恐怖政治の時代の前夜。お人好しで控えめだが悪に対しては容赦のない刑事イワン・ラプシンは、地方都市ウンチャンスクで街を震え上がらせる殺人鬼を追っていた。そんな折、ラプシンは女優のナターシャと出会い、親友ハーニンとの淡い三角関係に陥っていく。仲間たちの愛と友情を描いた本作は、内容、表現の両面で画期的反響を内外でよんだ。

『わが友イワン・ラプシン』

『フルスタリョフ、車を!』
1998年/フランス、ロシア/142分/モノクロ
出演:ユーリー・アレクセーヴィチ・ツリーロ、N・ルスラノヴァ、M・デメンティエフ、Y・ヤルヴェット
1935年、反ユダヤ主義の色濃い時代。赤軍の将軍で大病院の脳外科医でもあるクレンスキーはユダヤ人医師を迫害するKGBの陰謀に巻き込まれ強制収容所で拷問を受ける。しかし、突然解放され、スターリンの側近ベリヤにある要人を診ろと言われるが―。あらゆる説明を一切排除した場面が次々に転換し、強烈なパワーと極度の混乱が当時のロシアの空気を伝えている。

『フルスタリョフ、車を!』

『神々のたそがれ』
2013年/ロシア/177分/モノクロ
出演:レオニード・ヤルモルニク、アレクサンドル・チュトゥコ、ユーリー・アレクセーヴィッチ・ツリーロ
とある惑星の都市アルカナル。地球から800年ほど文明が遅れたこの地に、地球から科学者や歴史家らからなる調査団が派遣される。彼らは神のような存在として惑星の人々から崇められるが、政治に介入することは許されず、ただ権力者たちの蛮行と殺戮を傍観するのみであった―。圧倒的なエネルギーと混沌に満ちたゲルマン監督不朽不滅の遺作。

『神々のたそがれ』

料金は一般・大学生が1,200円、会員・シニアが1,000円、高校生が800円、中学生以下が500円で、2本目以降は半券提示で1,000円となる。
上映スケジュールは ユーロスペース 公式サイトに掲載。

特集上映「すべてみせます アレクセイ・ゲルマン監督特集」は9月5日(土)から18日(金)まで渋谷・ユーロスペースで開催!