『シェル・コレクター』第45回ロッテルダム国際映画祭 (1)

リリー・フランキー15年ぶりの単独主演作『シェル・コレクター』が1月31日(現地時間)、オランダの第45回ロッテルダム国際映画祭でワールドプレミア上映され、舞台挨拶にリリー・フランキー、橋本愛、坪田義史監督、牧野貴(抽象映像監督)が出席した。

本作は、アンソニー・ドーアの同名小説を原作として、坪田義史監督が舞台を沖縄に置き換えた。主人公の盲目の貝類学者を演じるリリー・フランキー、寺島しのぶ、池松壮亮、橋本愛といった豪華出演者が名を連ねる。

今回ワールドプレミア上映されたオランダのロッテルダム国際映画祭は、世界各国からインディペンデント映画や実験映画など新たな才能を発掘し、世に輩出する権威ある映画祭のひとつで、本作『シェル・コレクター』は、映像的に革新的かつ固有の個性を持つ映画作家の作品をセレクションするBright Future部門に出品された。

上映されたのは1月31日(日)の19:15(現地時間)という映画祭の中でも注目度の高い時間帯。満席の会場には地元の観客だけでなく、各国映画祭のディレクターやプロデューサー、アジアから集まったファンなどが多く集まった。

上映前の舞台挨拶に登壇した坪田義史監督、リリー・フランキー、橋本愛、牧野貴は、トニー・レインズの司会によって紹介された。デビュー作『美代子阿佐ヶ谷気分』に続いて参加となった坪田監督は「ロッテルダム映画祭は2回目ですが、作品を創るごとに招待していただいて、とても幸せな気分です。この映画は盲目の貝類学者が自然への畏怖を感じる映画ですので、観客の皆さんにも何かを感じ取っていただければと思います」と作品をアピールした。リリー・フランキーは「この映画は監督の妄想世界を映像化しまして、観たら不思議な気分になられるかもしれません」と、橋本愛は「観終わったあとにちょっとびっくりされるかと思いますが、是非最後の言葉にできない余韻まで楽しんでいただけると幸いです」とメッセージと作品について語った。

上映後に行われたQ&Aでは、盲目の役を演じることの難しさを問われたリリー・フランキーは「盲目役は盲目指導の人もいたので難しくはなかったが、それよりも本作はCG全盛の時代に反してアナログな撮りかたで、実際に水中5メートルもぐって演技をしなければならないことが一番大変だった」と監督のこだわりが強い作品であることをうかがわせた。

『シェル・コレクター』第45回ロッテルダム国際映画祭 (2)

『シェル・コレクター』第45回ロッテルダム国際映画祭 (3)

『シェル・コレクター』ポスター

映画『シェル・コレクター』は2016年2月27日(土)よりテアトル新宿、沖縄・桜坂劇場ほか全国で公開!

監督・編集:坪田義史
出演:リリー・フランキー、池松壮亮、橋本愛、普久原明、新垣正弘、寺島しのぶ
配給:ビターズ・エンド

(C)2016 Shell Collector LLC(USA)、『シェル・コレクター』製作委員会