小さな家具屋の店主が世界最大の家具販売店の創業者を誘拐する『ハロルドが笑う その日まで』が16日（土）より公開される。

本作は、“北欧家具”を生涯の生業としながらも、まったく異なる人生をたどってきた人物たちの交流をユーモラスに描いたハートウォーミングドラマ。ノルウェーで40年に渡り、クオリティが高くぬくもりを感じる家具にこだわり続けてきた小さな家具屋の店主ハロルド。しかし、目の前にオープンしたのは、世界最大の家具販売店イケア。一変して閉店に追い込まれたハロルドは、最愛の妻も失い、自暴自棄になる。そしてイケアの創業者であるイングヴァル・カンプラードへの復讐を決意する。

本作では、ハロルドがカンプラード誘拐の計画をし、偶然にも成功することから始まる珍道中を描いている。日本では2009年に公開された、年金だけでは暮らしていけないエミルが、妻のため幸せのために強盗を繰り返す中で、“幸せとは何か？”を考えさせてくれるハートウォーミングストーリー『人生に乾杯！』が大ヒットを記録した。両作品に共通するのは、強い信念を持ったおじいちゃんの“無茶”が描かれている点。周りからみれば、あり得なさすぎて笑ってしまうところだが、本人たちが真剣なのだから、その姿や行動はよりおかしく、そしてどこか微笑ましいほっこりした気持ちにさせてくれる。ほかにも、『100歳の華麗なる冒険』や『ラスト・ベガス』など、おじいちゃんが無茶する映画にハズレなしとも！？

本作は、それぞれの哲学は正反対でも、自分の仕事に誇りを持って生きてきたハロルドとカンプラードの交流を描いており、北欧映画ならではのシニカルさとウィットに富んだ心温まる作品となっている。