藤竜也、リリー・フランキー、上野樹里、タナダユキ監督

藤竜也、リリー・フランキー、上野樹里、タナダユキ監督

上野樹里3年ぶりの主演映画『お父さんと伊藤さん』の完成披露試写会が9月8日(木)に新宿バルト9で行われ、上野樹里、リリー・フランキー、藤竜也、タナダユキ監督が登壇した。

息子夫婦の家を追い出されたお父さんが選んだ先は、娘の彩と20歳年上の彼氏・伊藤さんが同棲するアパート。突然始まった奇妙な共同生活ですれちがう3人の心―。やがて訪れる別れの朝、彼らが選んだ未来とは―。主演は『陽だまりの彼女』(2013)以来3年ぶりの主演映画となる上野樹里。自分のペースで日々の暮らしを大切に生きる主人公の女性・彩を伸びやかに演じる。そんな彩の20歳年上の彼氏で給食センターに勤める謎の男・伊藤さん役をリリー・フランキー、頑固ながらも愛くるしい一面を持つお父さん役を『龍三と七人の子分たち』(2015)で絶大な存在感をみせつけた藤竜也が演じる。

今回行われた舞台挨拶には、主演の上野樹里、リリー・フランキー、藤竜也、タナダユキ監督の4名が登壇し、劇中で描かれる年の差恋愛などについて語られた。

台風は過ぎたものの雨が降る中で行われた舞台挨拶だが、上野は「無事完成披露試写会を迎えられてほっとしています」と挨拶し「単館系でやると思っていたんですけど、館数が増えて中規模くらいになってきた」と前評判の良さを喜んでいる様子。リリーは「まさかこんなに大きな劇場が満員になるとは」と悪露どいている様子を見せた。

今回タナダ監督の希望通りのキャスティングが叶ったというがその決め手は「インスピレーション」と答え、「キャスティングの打ち合わせの時は妄想キャスティングで、断られたりスケジュールが合わないことがあるが、今回は妄想キャスティングが実現した」と笑顔で語った。上野は自身の役どころについて「ヒロインだけど自慢できる何かがあるわけではない、結婚もしない、子どもいらない。リアリティを描きつつ、チャーミングさを映してくれる」と現実的な面が強いところが評判の良さにつながっている様子を示した。

20歳以上離れたカップルを演じる上野はリリーに対して「男って感じがしない。でもよく見ると同じ服を着まわしていて、仲はいいんです」と明かした。また、リリーは「同棲している役だけど、同棲している感じがしない」と苦笑。

上野とリリーが演じるカップルの家に住むことになる藤演じる父親だが、人と一緒に暮らすことについて、5月に平野レミの息子でトライセラトップスの和田唱と結婚した上野は「一人だと食べに行くにも食べに行く人がいない。二人だといい具合に回る。結婚っていいものだと思いますよ」と笑顔を見せた。独身のリリーは「完全に行き遅れています」と話しつつ、「この映画を観てから家族というものへの気持ちが高まった」と明かした。また結婚生活が50年を超えたという藤は「今は最高です」と笑みを浮かべた。

イベントでは、「父親・年上彼氏・娘」というお題で公式サイトで募集された川柳から監督、ゲストが選んだ作品賞がそれぞれ発表された。

キャスト、監督が選んだ川柳

上野樹里賞
「分かりあう 特効薬は 釜の飯」
藤竜也賞
「父省線 彼は国鉄 私JR」
リリー・フランキー賞
「パパ『も』好き その『も』はなんだ 他誰だ」
タナダユキ監督賞
「奴を見る 娘の笑顔で あきらめる」

食事がキーワードだという上野は、義母の影響もあって料理が「楽しいです」と話し、前日のメニューを聞かれ「パスタとステーキです。あるもので作りました」と答え、リリーは「あるものが良すぎる。たまたまステーキ肉があるの?」と驚いている様子。上野は「レミパンでレアで食べました」と話し、笑いを誘った。

最後に上野は「気負わず、構えずに気楽に楽しんで観てもらえればと思います」とメッセージを贈った。

上野樹里

上野樹里

リリー・フランキー

リリー・フランキー

藤竜也

藤竜也

上野樹里

上野樹里

映画『お父さんと伊藤さん』は2016年10月8日(土)より新宿バルト9ほか全国で公開!
監督:タナダユキ
原作:中澤日菜子『お父さんと伊藤さん』(講談社刊)
出演:上野樹里、リリー・フランキー、長谷川朝晴、安藤聖、渡辺えり、藤竜也
配給:ファントム・フィルム
©中澤日菜子・講談社/2016映画「お父さんと伊藤さん」製作委員会