『台風家族』の舞台挨拶が9月14日(土)にTOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、草彅剛、MEGUMI、甲田まひる、藤竜也、市井昌秀監督が登壇した。

イベントの冒頭で、主演の草彅は「千葉が大変なことになっていて、今も大変な生活をしている方がたくさんいらっしゃると思うんですけど、心を強く持ってもらいたいと思います。キャスト、スタッフ一同、心からお見舞い申し上げます」と、先日の台風15号で被害を受けた被災者にメッセージを送り、観客からは拍手が寄せられた。

今回のイベントでは、事前に市井監督による資料が配布されるほど細かい裏設定があったという本作の“新たな裏設定を作る”ということで、事前にTwitterで募集された質問にキャストが答え、それを市井監督が認定するコーナーが設けられた。

初めに寄せられた、付き合っている男性はいるが独身という麗奈に“何人目の彼氏ですか?”という質問に、演じたMEGUMIは「モテる役ですからね。オープンな方なので多いとは思うんですけど、どうでしょう。28人くらいですか?」と言うと、市井監督は「一桁違いますね」とツッコミを入れ、それにMEGUMIは「遊んでるのは多いけど、使いってるのは少ない」と自身の解釈を語り、「遊んではいるけど、ちゃんと付き合ってるのは4人くらい」とコメントし、これを市井監督が認定し、無事正式な“裏設定”となった。

さらに、藤演じる一鉄への“カラオケの十八番は?”という質問に、藤は「ウルトラマンタロウです」といい、同楽曲を歌い始めると、観客からは大きな歓声が起こり、草彅も一緒に歌う場面もあった。

また、“裏設定”については、クランクイン前に市井監督からキャストに渡していることが明かされているが、以前の舞台挨拶で読んでいなかったことを明かした草彅。今回、草彅が藤に「紙もらいました?」と問いかけると、「もらってない」と返す藤。これには市井監督もすかさず「いや、お渡ししました・・・」と控えめにツッコミを入れ、会場の笑いを誘った。

最後に、今回25回目の舞台挨拶への登壇となった市井監督は「小鉄という台風のような人物が草彅さんでよかった」と感謝の気持ちを明かし、草彅は「お芝居ではあるんですけど、去年の夏に血の通い合った家族になれたと思っています。それがスクリーンを通して伝わり、感じてもらえるものがあるんじゃないかとうれしく思っています。僕自身もこの素敵な作品に出会えたことが幸せで、これを機にがんばっていこうと思います。『台風家族』はあと13日間ありますので、最後まで手を抜かず、一人でも多くの方にこの幸せを感じてもらえればと思います」とメッセージを送った。

本作は、市井昌秀監督が構想から12年間あたためてきた“両親への想い”を形にしたオリジナルストーリー。鈴木家のきょうだいは10年ぶりに実家へ戻ってきた。銀行強盗を企て2000万円の大金と共に忽然と姿を消してしまった両親の“見せかけ”の葬儀を行うために。そこには〈怒り〉〈愛情〉〈嫉妬〉〈後悔〉〈許し〉・・・誰もが共感するさまざまな感情が紡がれている。世界一“クズ”な一家だけれど何故か憎めない、そんな愛すべき鈴木家の“台風”のようなめまぐるしい夏の一日は、果たしてどんな結末を迎えるのか。ブラックユーモアあふれる物語に隠された家族ひとりひとりの想いを知ったとき、思いがけない大きな“感動”が押し寄せてくる―?家族って何だろう──これは普遍的な“家族”の物語。

【写真・文/編集部】

映画『台風家族』は全国で公開中!
監督:市井昌秀
出演:草彅剛、MEGUMI、中村倫也、尾野真千子、若葉竜也/甲田まひる、長内映里香、相島一之、斉藤暁/榊原るみ・藤竜也
配給:キノフィルムズ/木下グループ
©2019「台風家族」フィルムパートナーズ