『ジャック・リーチャー NEVER GO BACK』の記者会見が11月8日に都内で行われ、主演のトム・クルーズ、エドワード・ズウィック監督、さらにゲストとして池松壮亮が登壇した。

元米軍エリート秘密捜査官で、今は街から街へと放浪を続ける一匹狼、ジャック・リーチャーが真実を追い詰める―。主人公リーチャーをトム・クルーズが熱演し、世界興収2億1800万ドルのヒットを記録した前作『アウトロー』（2013）。『ラストサムライ』（2003）のエドワード・ズウィック監督とトム・クルーズが再びタッグを組む。

今回行われた会見には、22回目の来日となるトム・クルーズ、『ブラッド・ダイヤモンド』以来9年ぶりの来日となるエドワード・ズウィック監督に加えて、スペシャルゲストとして『ラストサムライ』でトム・クルーズと共演した池松壮亮が出席した。

会場には多くの報道陣が詰めかけ、1年3か月ぶりの来日となるトムを大きな拍手で迎えた。止まらないフラッシュに目を細めながらトムは「『ラストサムライ』でご一緒したエドワード・ズウィック監督とこの舞台をともにできたことを名誉に思います」と笑顔で挨拶した。前作のタイトルが『アウトロー』（原題：Jack Reacher）だったことを「知りませんでした」と話すトム。自身の演じるリーチャーを「大好き」と言うトムは「強い道徳心を持っているのが彼の特徴」と語る。エドワード監督は「アウトローという言葉は“浪人”と申し上げると分かりやすい。そういった意味では、我々が手掛けた『ラストサムライ』とつながりがあるのではないか。自分なりの道徳観を持って行動するという意味では『ラストサムライ』と対になる作品だと思う」と語った。

今回、再びタッグを組んだことについて、トムはエドワード監督を「人間の視点から物語を語るのが特徴的」とコメント。エドワード監督は「二人にとって、（『ラストサムライ』の撮影をした）あの時に始めた会話が続いているような感じがしました。トム・クルーズはどの監督も一緒に仕事をすることが夢だと思います。なによりも映画作りに対する愛がスタッフ、キャスト全員に広がるからです」と語った。また、本作で心がけたことについてエドワード監督は「1作目に詰まっていたものは保ちつつ、リーチャーの周りの人間関係を掘り下げていくことを目指しました」と明かした。

会見前の深夜1時に日本に到着したというトムだが、最初に見た「夜景が素晴らしかった」と振り返った。また「人々が素晴らしく、食べ物がおいしい、とにかく東京が大好きです」と笑顔を見せたトム。本作で初めてシリーズ作品を監督することになったエドワード監督だが、その理由について「トムに声をかけていただいてラッキーだった（笑）」と話し「オリジナリティが映像作家として大切だと思っていたのですが、トムのこれまでの作品を考えても、シリーズでもそれぞれに特徴が異なり、それは監督の手によるもの」と語り、最初は躊躇したものの、トムがきっかけでシリーズ作品を手掛けることに決めたと明かした。

また、トムと一緒に仕事をすることが夢見ている監督が多いとエドワード監督も明かしていたが、トムと共演するためにはどうしたらいいかを聞かれたトムは「その役に最高だと思う俳優を探しています。もちろん演出するのは監督です。映画作りに情熱をもっている方と一緒に働きたいです。私と同じ情熱をシェアできる方を求めています」と語った。

会見の後半になると、スペシャルゲストとして『ラストサムライ』でトムと共演した池松が登壇。“トム”という名称の日本酒が手渡され、トムは笑顔で受け取った。同作が映画初出演となった池松だが、その後の池松の活躍についてトムは「驚きません。あのころから素晴らしい演技をしていたから」と称賛。エドワード監督は、自身が無茶な演出をしたことを振り返り、トムに「覚えてる？」と聞かれた池松は「覚えてないです」と答え、場内からは大きな笑いが起きた。また、池松は「俳優になるとは思っていなかったし、お二人に出会ってなかったら東京にも出てきてないです。お二人に出会えたことで人生が変わりましたし、おかげでまだまだやれそうだなと思いました」と語った。最後にトムは「いつも“サムライ”のみんなのことを思っています」とコメントした。