ダニエル・バレンボイム

ミラノ・スカラ座の全貌を紐解くドキュメンタリー『ミラノ・スカラ座 魅惑の神殿』の感動秘話を明かした本編映像が解禁された。

世界中から賞賛と羨望を集める240年もの歴史に彩られたオペラハウスの最高峰“ミラノ・スカラ座”。本作では、この歌劇場の「全貌」を鮮やかに紐解く。出演者の練習風景や、シーズンを迎える準備に追われるスタッフの様子から、歴史的な建物、歌劇場の構造設備を鮮明な映像で紹介するほか、リッカルド・ムーティ、プラシド・ドミンゴ、ロベルト・ボッレなど、スカラ座とゆかりのある著名人のインタビューや貴重なアーカイブ映像で綴られる。オペラ初心者にとっても格好の歌劇と歌劇場のガイダンスであり、また誠実なる創造の記録となる。

今回、偉大なる音楽家たちにまつわる逸話を紹介する本編映像が解禁された。「トスカ」「蝶々夫人」を作曲したジャコモ・プッチーニ。一年の中で最も重要なステージとされるオペラシーズンが今年も幕を開け、演目はプッチーニの「蝶々夫人」初演版が選ばれたが、実はこの1904年のオリジナルの初演版は不評につきブーイングの嵐となったいわくつきの作品で、今年はなんと“112年ぶりに再演”ということでも大きな話題となっている。しかし、やじが飛んだ1904年の初演とは異なり、今年の公演には13分間におよび起立しての拍手喝さいが送られた。

意外なことに、プッチーニは生前、オペラに重厚な芸術性が欠如されているとし、大きく評価が分かれる音楽家だった。そんな彼が見直された背景にあったものとは―。本映像では、1898年からスカラ座の音楽監督も務めた指揮者アルトゥーロ・トスカニーニとプッチーニにまつわる逸話が明かされる。1926年にスカラ座で初演を迎えたプッチーニ作「トゥーランドット」。しかし、プッチーニは楽曲を仕上げる前に亡くなったため、未完の遺作としてトスカニーニが指揮を振る。さらにトスカニーニは、演奏の途中で突如指揮を止め、プッチーニが“その部分で息を引き取った”ことを告げ、劇場を大きな感動の渦に引き込んだ。他の劇場では考えられない“事件”だが、トスカニーニの熱い信念がなせる業は後世にも語り継がれ、結果的にプッチーニの音楽家としての評価を底上げする契機にもなった。

映画『ミラノ・スカラ座 魅惑の神殿』は2016年12月よりBunkamuraル・シネマほか全国で公開!
監督:ルカ・ルチーニ
出演:ダニエル・バレンボイム、リッカルド・ムーティ、マリア・カラス、ルキノ・ヴィスコンティ、プラシド・ドミンゴ、ルチアーノ・パヴァロティ、ホセ・カレーラス、ヘルベルト・フォン・カラヤン、ルドルフ・ヌレエフ、アルトゥーロ・トスカニーニ、ロベルト・ボッレ、アレッサンドラ・フェリ、クラウディオ・アバド
配給:コムストック・グループ
2015年/イタリア/102分
© Rai Com – Skira Classica – ARTE France – Camera Lucida Productions 2015