白石和彌監督、音尾琢真

日活ロマンポルノ・リブート・プロジェクト第三弾『牝猫たち』のトークイベントが1月25日(水)に新宿武蔵野館で行われ、本作に出演するTEAM NACSの音尾琢真、白石和彌監督が登壇した。

白石監督は「何度か舞台挨拶やトークショーやっていますけど、稀に見る女性率ですね。これが噂の小魚さん(音尾のファン)たちですね(笑)」と笑いを誘い、トークイベントの幕が開けた。本作で音尾をキャスティングした経緯を問われた白石監督は、同じ高校出身であることを明かし「音尾さんはTEAM NACSで早くからスターになり、知っていた。僕が監督になって『先輩!!』という擦り寄り方をしてきて・・・」と語ると、音尾は「“白石先輩からのオファーはもうOK、全部通してください”とマネージャーに言ってある」と明かすも、ポルノであることに一瞬の戸惑いがあったことを吐露した。

一昨日観に来ていたと明かした音尾は「実際に観て5分くらい経った頃、ご年配の女性が帰られました」と苦笑した様子を見せると、白石監督は「5分だと、まだ店長出てきてないか(笑)もうちょっとはやく出しておけばよかったですね」と笑いを誘った。実際に観た感想を問われると「いやいや、本当にいい映画だなって。この作品は非常に素晴らしい映画です。そこにポルノの濡れ場は描かれていますけど、人の裏表のない部分が描かれるものだと思いますし。だからこそ18禁になってしまうわけですけれども、みんなは立派な大人だ。色んな経験がある、色んな体験をした中で感じることがそこにもあるはず」と語った。

白石監督が「子魚たちっていう続編つくります?(笑)」と問いかけると、音尾は「いったいどういう話になるんだろう・・・」と困った様子を見せて返すと白石監督は「続編が子魚たちになるかは別として、いつか必ず音尾さん主演の映画をつくることをここに誓います!」と宣言し、歓声が上がった。

最後に音尾は「まず最初に言えることは、5分で帰らないでください。最後まで観ると『あぁ、映画って本当に良いものだな』と思えるところに行き着けると思います」と願い、白石監督は「ポルノであるけどロマンがある映画にしたいということで一生懸命作りました。色んな人に観てもらいたい」と語り、拍手が送られた。

池袋の風俗店「極楽若奥様」で働く3人の“牝猫たち”は、呼び出された男たちと体を重ね、そして、また夜が明ける―。ワーキングプア、シングルマザー、不妊症・・・それぞれの悩みを抱えながら、爽快と現代を生き抜く女たちと、それを取り巻く男たちの物語を白石和彌監督がオリジナル脚本で描く。主人公・雅子を演じるのは映画、ドラマ、舞台などでキャリアを積む気鋭の女優・井端珠里。ほかに雅子の仕事仲間でシングルマザーの結依を、映画2作目となる真上さつきがフレッシュに演じ、主婦でありながら風俗嬢として働く里枝を美知江が艷やかに演じている。

【取材・写真・文/蔭山勝也】

音尾琢真

白石和彌監督


映画『牝猫たち』は新宿武蔵野館で公開中、全国で順次公開!
配給:日活