今回解禁された場面写真

認知症の母と女優を目指す娘が織りなす物語『話す犬を、放す』の場面写真が解禁され、各界の著名人からのコメントが到着した。

監督自身の経験がきっかけとなり着想を得た本作。パーキンソン病のような症状や幻覚・幻視を見るという症状が出るレビー小体型認知症という病をモチーフに“夢を追求するということ”、“介護という問題”、“生きる”ということなど、母娘それぞれが抱える「あったかもしれないもう一つの人生」への葛藤を、独特のユーモアを交えながら温かく見つめ、人間賛歌へと昇華させたハートフル・コメディ。

今回解禁された場面写真は、劇中でのキーとなるシーンを捉えている。

1枚目は、レイコ(つみきみほ)とレイコに映画の仕事を紹介した学生時代の劇団仲間で人気俳優の三田(眞島秀和)、そして子どもを産んで間もない女性映画監督(木乃江祐希)がベビーカーを押しながら現れ、公園で面接している場面。レイコ自身も認知症の母親を連れての面接だったので、子育てと監督業の両立をあきらめない女性監督の姿に触発されていく。

2枚目は、母・ユキエ(田島令子)が台所で包丁を持ち、レビー小体型認知症の症状でいつもしていたはずの料理の手順がわからなくなり、困惑の表情を浮かべている場面。ユキエの認知症の症状への戸惑いと不安の始まりを表している。

3枚目は、レイコが自身が講師を務める演技学校の元教え子が、今の俳優の成功はレイコからの教えがあったからだと語る内容をカーラジオで耳にしたことで、迷いながらもまっすぐ進んできた自身の人生を振り返り自然と笑顔がこぼれている場面。

内田春菊(漫画家・作家・俳優)コメント

自分もならないとは限らない、という思いでいっぱいになりました。世代や状況の違う三人の女性の人生がこんなに迫ってくる作品。愛することは、関心を持つこと。熊谷監督の深い人間愛を感じます。

古厩智之(映画監督)コメント

犬の幻を見始めて、違う現実をひとり生き始める認知症の母。「ひとはみな違う現実を生きているのだな」という世界の真実が、ユーモラスに、ときに生き生きと綴られて楽しい。しかしあの犬、耳がぴんとしててかわいいんですよね。娘にも見えればいいのに。テーブルのポットと、座ったお尻の形がそっくりで笑ってしまった。二人の隔たり、越えられない断絶が描かれるからこそ、母の秘められた人生に触れ、心が通う瞬間が胸を打ちました。母と娘って、こういうものを受け渡していくのでしょうか。

今回解禁された場面写真

今回解禁された場面写真

映画『話す犬を、放す』は2017年3月11日(土)より有楽町スバル座ほか全国で公開!
監督・脚本:熊谷まどか
出演:つみきみほ、田島令子/眞島秀和、木乃江祐希
配給:アティカス
2016年/日本/84分
©2016埼玉県/SKIPシティ 彩の国ビジュアルプラザ