孤児の少女が盲目のギター弾きと旅に出る―『BLANKA(原題)』が『ブランカとギター弾き』の邦題で2017年夏に全国で順次公開されることが決定した。

“お母さんをお金で買う”ことを思いついた孤児の少女ブランカは、ある日、盲目のギター弾きピーターと出会う。ブランカはピーターから、得意な歌でお金を稼ぐことを教わり、二人はレストランで歌う仕事を得る。ブランカの計画は順調に運ぶように見えたが、彼女の身には思いもよらぬ危険が迫っていた―。日本人初のヴェネツィア・ビエンナーレ&ヴェネツィア国際映画祭の出資を得て製作された長谷井宏紀の第一回監督作品がついに日本凱旋を果たす。第72回ヴェネツィア映画祭にて過去に錚々たる作品が受賞したマジックランタン賞、ジャーナリストから贈られるソッリーゾ・ディベルソ賞を受賞したほか、世界各国で50以上の映画祭に招待され主要な賞を受賞し、大きな評判を得た。

舞台は、カラフルでエネルギーにあふれたマニラのスラム。巨匠エミール・クストリッツァに認められ、世界中を旅しながら、写真家としても活動してきた長谷井監督が瑞々しく捉えた、カラフルな街並みとそこに住む人々の生き生きとしたエネルギーの映像はまさに必見。出演者のほとんどを路上でキャスティングし、YouTubeの歌姫として国内外で人気を集めていた本作で主演を務めるサイデル・ガブテロは、演技初挑戦ながらもその美しい歌声と演技力で世界中の映画祭で話題をさらった。

長谷井監督は、俳優・浅野忠信が主演し、2007年のアカデミー賞外国語映画賞にノミネートされた『モンゴル』やNHK土曜ドラマ「ロング・グッドバイ」でスチール撮影を担当。親交を深めた浅野から、本作の日本公開に際して「長編映画デビューおめでとう!沢山の面白い話を聞いているので、早く皆さんに見てもらってどんどん撮って下さい!」と激励のコメントが寄せられている。

長谷井宏紀監督 コメント

映画に国境なんてない。僕らはいつかは誰もが子供だった。そしていつの日か大人になった。僕が子供だった頃、どうして戦争なんかがあるんだろうと不思議に思っていたけれど、それから数十年経った今も、何ら変わらない。僕は子供だった頃の世界を感じる純粋な思いを捨てたくないし大人になって見つけたこともある。路上に生きる子供の視点を借りて、力強く生きる子供達と楽しんで作ったこの小さな映画を、今回日本の皆さんに観て貰える機会を頂けたのは、とても嬉しいです。

また、映画監督のエミール・クストリッツァと、俳優の浅野忠信から本作へのコメントが届いている。

エミール・クストリッツァ(映画監督)コメント

強く心に響き、私を幸せにした。なんて美しい映画だろう!

浅野忠信(俳優)コメント

ブランカという少女の辿り着いた一つの愛の形に涙が止まらなかった。

長谷井宏紀監督

映画『ブランカとギター弾き』は2017年夏にシネスイッチ銀座ほか全国で順次公開!
監督・脚本:長谷井宏紀
出演:サイデル・ガブテロ、ピーター・ミラリ、ジョマル・ビスヨ、レイモンド・カマチョ
配給:トランスフォーマー
2015年/イタリア/77分
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