蜃気楼の町・魚津で繰り広げられる人生模様を描くドラマ「琥珀」に川島海荷が出演することが決定した。

浅田次郎が原作の本作は、西田敏行演じる定年間近の刑事・米田勝己と、西田と同年齢である寺尾聰演じる殺人逃亡犯・荒井敏男を中心にサスペンスフルな展開が時に切なく迫る大人のヒューマンドラマ。鈴木京香、工藤阿須加、川島海荷、寺尾聰らが共演する。

川島海荷が演じるのは、町の田舎の洋品店の店員で、仕入れなどを任されているしっかり者・敦美。工藤阿須加が演じる、魚津の交番勤務の巡査で、地元を愛する好青年・依田悟志の恋人役だ。2人は珈琲が苦手にも関わらず、噂の広がりが早い、この小さな町・魚津で堂々と会えるのはここだけと、殺人逃亡犯・荒井(寺尾聰)が店主を務める喫茶店「琥珀」でデートを重ねる、喫茶店と店主の荒井を敬愛してやまない可愛いカップル。

川島と工藤は本作が初共演作。熟年の世界とは対照的な無邪気な2人の存在がドラマにアクセントを施す。“蜃気楼”で有名な北陸・魚津を舞台に、不器用な大人たちが織りなす心に迫るヒューマンドラマに仕上がっている。

川島海荷コメント

西田さんと久しぶりの共演でとても嬉しかったです。優しく話しかけてくださって、空き時間にはところてんを工藤さんと3人で一緒に食べながら談笑したりしました。私、そのときが人生で初めてのところてんだったんです!美味しかったです!「琥珀」は、このドラマ独特の空気感があるなぁと思います。その雰囲気に馴染むような子でいられるように意識しました。時間がゆったり流れているような気もするし、都会とは違う素朴な部分を持っていたり、普段とはちょっとずつ全部が違った気がします。魚津でのロケは、とても充実していて、空気も気持ちよく最高でした。美味しいものもあって、蜃気楼も見ることができて、堪能しました。初共演の工藤さんは、常に自然体な方だなと思いました。そのおかげで、私もリラックスすることができました。なんだか初めてお会いした感じがせず、すごく馴れ馴れしく喋ってしまった気がします。過去から目を背けているということは、今と向き合えていなかったり、そんな中での人の心の葛藤が、この静かなドラマに隠されていると思います。そして、人間関係の奥深さ、ぜひ感じてほしいです。

米田勝己(西田敏行)は、存在感の極めて薄い巡査部長。定年を目前に控えているが、年下の上司・萩尾に、退職日まで来ても来なくてもいいと言われてしまうほどだ。ところが、行きつけの喫茶店で偶然手にした小冊子に掲載された、「琥珀」という喫茶店の記事を見た途端、表情を強張らせる。急きょ有休を取り、新幹線で富山県魚津にある「琥珀」に向かう。なぜか25年前の未解決事件「吉祥寺・放火殺人事件」の資料を持って―。マスターは、どこか哀しげな目をした荒井敏男(寺尾聰)。さらに港の漁協で働く人妻で、唯一の常連客・平井幸子(鈴木京香)が加わり、3人でひとときを過ごす。矢継ぎ早な幸子の質問に、いつも無口なのに、つい身の上を語り出す米田。かつて訪れた銀座の喫茶店「白馬」と荒井に接点があることを冊子で知り、懐かしくなってここへ来たという。しかし3人にはそれぞれ事情があった。米田は刑事であることを隠し、荒井は亡き妻の写真に「ごめんね」と語りかけ、幸子はひとりになった途端に笑 顔を消し、自宅へ向かう―。それぞれが抱える闇を感じながら、3人は徐々に交流を深めていく。彼らを待ち受ける運命とは―。

浅田次郎ドラマスペシャル「琥珀」は2017年9月15日(金)21:00より放送!
監督:雨宮望
原作:浅田次郎「夕映え天使」所収「琥珀」(新潮文庫刊)
出演:西田敏行、鈴木京香、工藤阿須加、川島海荷、寺尾聰