第30東京国際映画祭「コンペティション」部門上映作品『勝手にふるえてろ』の舞台挨拶が10月30日（月）にTOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、松岡茉優、渡辺大知、石橋杏奈、北村匠海、大九明子監督が登壇した。

世界各国・地域から応募された1538本の長編映画の中から、厳正な予備審査を経た15本の作品を上映する「コンペティション」部門。“脳内片思い”の毎日に“リアル恋愛”が勃発。ふたりの彼氏（？）の間で揺れながら、傷だらけの現実を突き抜ける、暴走ラブコメディ。

「忘れられない人がいる人は、今日この場でほうむっていただければ」と挨拶した主演の松岡。それに対し、松岡演じるヨシカを好きになる“二”役の渡辺は「女の子の心の中の爆発が詰まっていて、松岡さんの魅力が爆発している」と松岡の演技を大絶賛し、さらに「男でも共感できるところがポイント」と本作をアピールした。石橋も「ひたすら茉優ちゃんがかわいい」とコメントし、松岡は照れるしぐさも見せた。また、“一”役の北村は「負の感情を全面に押し出した」と振り返った。

ふたりの彼氏（！？）の間で揺れる難しい役どころを演じた松岡は「ヨシカのような人を演じるためにどうすればいいんだろうと思った」と振り返り、さらに“笑った”や“おもしろかった”という意見が多数寄せられていることについては「離れてみると笑えるらしい・・・。生きていて一生懸命な人がおもしろかったりするのか、結果的におもしろかった」と自身が演じたときの思いと違ったことで戸惑いを感じた様子を明かした。また、一人で演じるシーンも多い本作で「一人で感情を高めるのが楽しかったけど、舵を切るのが難しかった」と語った。

対する渡辺は「マイペースで暑苦しい猪突猛進型な男」と自身の役どころを解説し、演じるうえでは「キャラにあてはめずに、心で思っていることをやりました」と振り返った。また、石橋は「意図しないで恋をかき乱してしまう」という役どころに「起こりうることで、友達にもいたから参考にしました。かき乱しているつもりはないんだけど・・・」と現実で起こりうる設定に共感している様子を見せた。さらに北村は「監督に、一は残酷なやつだと言われて、僕もそう思っていた」と振り返り、「“こいつらどうでもいい”と思いながら演じることで、ネガティブな気持ちや顔がナチュラルに出るようにお芝居をしました」と感情のコントロールを行ったことを明かした。

最後に大九監督が「（見終わった観客から）一番欲しい言葉は『私がヨシカ』っていう言葉」とコメントすると、ヨシカ役の松岡が「私がヨシカです。ずっと言いたかったけど」と返し、それに対して大九監督は「私よ」と応戦。また、イベント中に誤って自身の役名をヨシカと言った石橋に、松岡が「ヨシカが奪われかけた・・・。私かな」とツッコミを入れ、盛り上がる中でイベントは終了した。

【取材・写真・文／編集部】