天才振付家による感動のステージの舞台裏を捉えたドキュメンタリー『ダンシング・ベートーヴェン』の本編冒頭映像が解禁された。

故モーリス・ベジャールによって振り付けられた伝説のダンス「第九交響曲」東京公演。それはモーリス・ベジャール・バレエ団と東京バレエ団、そして世界的指揮者ズービン・メータ率いるイスラエル・フィルハーモニー管弦楽団という奇跡の競演が生み出した、稀代のステージ。本作は、21世紀のバレエ史上最高傑作と呼ばれた総合芸術のステージが出来上がるまでの度重なるリハーサルの様子や、ベジャールの後継者ジル・ロマン芸術監督のもと新たに踏み出したモーリス・ベジャール・バレエ団の様々な文化的背景を持つダンサーたちが織りなす人間ドラマに密着した感動のドキュメンタリー。

今回解禁された本編冒頭映像では、スイスのローザンヌにあるモーリス・ベジャール・バレエ団の稽古場で、大勢のダンサーたちが“第九”の曲にあわせて気迫あるパフォーマンスをみせる中、ベジャールのあとを継いだジル・ロマン芸術監督が「第九」の持つ意味を語る姿が捉えられている。「第九は人類に向けて語りかける手段だった。人も世界も距離が縮まり、モーリス(・ベジャール)の“第九”には我々を前進させる力がある。第九はベートーヴェンとモーリスからの贈り物なんだ」と熱く語り、この奇跡のステージ実現への並々ならぬ思いも垣間見られる。

さらに本作のアランチャ・アギーレ監督から日本の観客に向けてのメッセージが到着した。
「希望と喜びについて語った映画、それはみんなが必要としていることです。日本の観客の皆様にもそれを感じて、楽しんでもらえると思います。喜びがキーワードです。ベートーヴェンの第九、そしてベジャールの“第九交響曲”のような、人類にとっての傑作となるものはぜひ見てもらいたい。私が好きなアイザック・ニュートンの言葉で“私は遠くまでみることができる、なぜなら巨人の肩にのっているから”というのがある。巨人というのは、人類のありとあらゆる傑作のこと。一人で立っていたら遠くまでは見えないが、これまで存在したクリエイター、遺産、芸術、傑作といった巨人の肩にのる。そうすると、自分の力だけでは見えないものが見えるようになる。芸術作品のことをそう語っていて、私もその通りだと思う。傑作を見ることは、自分自身にとってとても有益なことです」

映画『ダンシング・ベートーヴェン』は2017年12月23日(土)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国で公開!
監督:アランチャ・アギーレ
配給:シンカ
© Fondation Maurice Béjart, 2015 © Fondation Béjart Ballet Lausanne, 2015