「TOHOシネマズ 日劇」が2月4日(日)に閉館し、最終上映作品『もののけ姫』の上映後に支配人から挨拶が行われた。

東京・有楽町にある映画館「TOHOシネマズ 日劇」は、1933年に「日本劇場」として開館後、第二次世界大戦中の相次ぐ空襲による消失を免れつつも、経営難と老朽化に伴い、1981年2月15日に閉館。その後、1984年に建てられた有楽町マリオン内に再び「日本劇場」として開館。2002年には全面リニューアルが行われ、「日劇PLEX」としてオープン。さらに2009年2月17日には現在の「TOHOシネマズ 日劇」に名称が変更された。

今回、3月に近隣地に「TOHOシネマズ 日比谷」がオープンすることに併せて、前身の「日本劇場」を含めて85年の歴史に幕を下ろした日劇。1月27日から行われていた「さよなら日劇ラストショウ」の最終上映作品『もののけ姫』の上映後に、同館の佐藤支配人が姿を見せ、劇場前に詰めかけたファンに向けて挨拶を行った。

以下、佐藤支配人からの挨拶全文
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本日、日劇は最後の日を迎えることになりました。
僭越ながら、一言皆様にお礼のご挨拶をさせていただきます。
私は日劇支配人の佐藤と申します。

日劇は85年間で、実に1億人以上のにお客様に足を運んでいただきました。
皆様に愛され、今日まで上映を続けることができたこと、心より感謝申し上げます。
本日で日劇は閉館いたしますが、日劇の魂は3月29日にオープンするTOHOシネマズ日比谷へと引き継ぎますので、ぜひ楽しみにお待ちいただければと思います。

最後になりますが、85年間日劇を愛していただきまして、誠にありがとうございました。
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挨拶が終わると、観客からは「ありがとう!」の声援が寄せられ、さらに佐藤支配人が「ありがとうございました!」という感謝の気持ちを表すと同時に扉を閉めると、より一層大きな拍手が寄せられた。挨拶の最中は唇をかみしめ、涙をこらえている社員も見受けられたが、扉が閉められた奥では、ほかのスタッフと一緒に最後の瞬間を味わっている声が響いた。

1984年に現在の日劇になってから、1月26日までの上映作品は累計992作品以上(※映画祭やイベント上映を含まず)。近年では、2014年の『穴と雪の女王』や、2016年の『シン・ゴジラ』、『君の名は。』などの大ヒットにより会場は熱気にあふれていたことが記憶に新しい。

“日劇スピリット”は、3月29日に開館する「TOHOシネマズ 日比谷」へと受け継がれる。