齊藤工発案の移動映画館プロジェクト「cinéma bird in 沖縄 2018」が11月10日(土)に沖縄県うるま市の伊計島にて開催された。

「cinéma bird」は、劇場体験の少ない子供たちや劇場のない地域の方々に、同じ空間で感動を共有する劇場体験を届けることを目的として開催するもの。過去には宮城県石巻市、福島県広野町、大分県豊後大野市、福島県南相馬市、熊本県山鹿市で開催、今回は第6回目となるが、7月に一度、台風の影響で中止となり、満を持しての開催となった。心地よい気候と天気に恵まれた本会場の伊計ビーチには、巨大なスクリーンとライブステージが設置。すでに100人ほどのお客様が列を作り待っていたが、開場とともにウェルカムライブで齊藤工自身が観客を出迎えるという粋な演出で盛り上げた。

映画を上映する前に、このプロジェクトで既にお馴染みの永野や、ミラクルひかる、そして今回初参加となったカミナリによるお笑いライブが行われ、家族連れやカップルで来ている観客も大満足の様子。また、波の音と一緒に、齊藤工、アーティスト・古賀小由実と豪起の3人による“cinema birds”によるゆるやかな音楽ライブも行われた。プロジェクト初期にはボランティアとしても参加していたという女優・伊藤歩も歌声を披露。沖縄にちなんだ楽曲に、観客の肩も自然と揺れ、軽快な齊藤のトークと共にゆっくりとした時が流れていた。

この日は、齊藤工自身制作を行った『映画の妖精 フィルとムー』をはじめ、3本の映画を昼の部と夜の部の2回に分け参加費無料で上映。2部全体で限定800人の観客が来場した。アーティストのCharaによるライブも行われ、彼女の織り成す世界観と波の音がマッチし、会場は完全にリラックスモードに。イベントの最後には、ゲストが揃って出口でお客様と握手とハイタッチを交わし、一人一人を丁寧に送り出すなど、最後の最後まで心のこもったおもてなしとなった。

齊藤工 コメント

(冒頭ウェルカムライブ中に)本当に皆さん、今日は目白押しのイベントですので、楽しんでください。”伊計祭り”とも呼べるイベントにしたいと思っています。沖縄に来て、沖縄の唄を唄えるってすごい嬉しいです。(海風で楽譜が飛びそうになると)こういうのも逆に良いですよね。楽譜が飛んじゃったら、フリーライブで行きましょう(笑)。(お笑いライブが始まると)永野さんとミラクルひかるさんは、もうレギュラーで出てもらっていますよね、カミナリさんが今回初参戦となりますが、永野さんの事務所の後輩なんですよね。実は僕もグレープカンパニーさん(永野、カミナリが所属)に所属しているんですよ。覆面芸人【人印(ピットイン)】として(笑)。以前永野さんの営業のライブにこっそり一緒に出させてもらった事があって。お客さんが8人だったから、びっくりしましたよ。本当に鍛えられました(笑)。(伊藤歩とのトークで)伊藤さんはこの企画の初期の頃、ボランティアとして参加してくださった事もあって。そしたら、その後にまさかのドラマ「昼顔」で夫婦役で骨肉の争いをするというね(笑)。(映画の上映前に)どうしても権利の問題などで映画が上映できなかったり、色んな弊害がある国もあるんです。マダガスカルに関しては、”映画”という文化自体が無くて。初めて子供たちが目にする映像はどんなものなんだろう、と考えて作ったのがこの『映画の妖精 フィルとムー』なんです。『ワンダー 君は太陽』は今年の僕のベストムービーですね。この映画に説明は不要です。『ベイビー・ドライバー』は、伊計ビーチの波の音にも負けないこんな音楽映画を上映したら最高に気持ち良いだろうな、と。沖縄での開催におけるイメージ映画となった作品です。(上映終了後、Charaのライブを終えて)今のCharaさんのライブを聞いていて、今日一日のこの空間、この時間が細胞の一つ一つに染み込んでしくような、どこか皆さんの身体の一部になっているんじゃないかな、と。後ろから見ていて、皆さんの背中越しにCharaさんの歌っている姿が見えて、なんて贅沢なんだろうと思っていました。皆さんそれぞれの贅沢があると思うんですけど、僕にとっては、これが最高の心の贅沢だな、と思いますね。地元の方々がこの企画を受け入れてくれて、テクニカルスタッフもほとんど沖縄の方なんです。僕らが持ち込んだのは、映画の素材とゲストの方々と”自分たちも楽しみたい“という思いだけ。あとはここにいる皆さんが完成させてくれました。「終わらなければ良いのに」という時間を過ごさせて頂きました。

伊藤歩 コメント

実は7月の中止になってしまったとき、前乗りをしていたのが工さんと二人きりだったんです。テレビで「昼顔」をオンエアした二日後なので(ドラマの続きかのように)沖縄までついてきてしまって、もはやホラー映画みたいだよね、と(笑)。(もし開催する事になったら、)演出でそれを使うしかないね、なんて話していましたよね。沖縄は年に1~2回来るくらい好きで、昨日も隣りの大泊(おおとまり)ビーチで素潜りしてきました。13メートル?くらい潜りますね。一昨日は名護の方でスキューバダイビングをしていたんです。(Charaとのセッション時)初めてCharaさんに会ったのは、私が中3の時ですね。Charaさんがグリコ役で、私がアゲハ役で。(『スワロウテイル』)アゲハはグリコに憧れて歌ったのが、今日ここで久しぶりに出会った、そんな感じですね。私、アゲハチョウになりました(笑)

豪起 コメント

(お笑い芸人のライブの後に歌う事について)芸人さんはキレッキレなので、逆に家に居るくらいのゆるっとした感じでいきますね。いつもcinema birdのイベントには呼んで頂いていて。Cinema birdsとしても活動しています。7月の開催が中止になってしまいましたけど、本当に楽しみにしていたんです。この今日のイベントのため、そして沖縄のために作った曲がありまして。今日はそれを披露します。

古賀小由実 コメント

(お笑い芸人のライブの後に歌う事について)笑い過ぎて、声がかすれてしまいそうです(笑)私は大分に住んでいて。普段、人と人の間に流れる見えない音楽を作れたら、と思っています。九州は海が近くにある地域と無い地域がありますが、沖縄に住んでいる方は皆さん海がいつも身近にある生活なんですよね。海が近くにあったら良いなという歌を作りましたので披露します。(沖縄の思い出を聞かれると)大学の卒業旅行で来ましたね。那覇の街に行って、スキューバダイビングをした思い出です(笑)

カミナリ コメント

(たくみ)沖縄の思い出と言えば、去年、とんねるずさんの番組のロケで来て6時間くらい待機したと思ったら、落とし穴に落ちて、そこでロケ終了、というのがありましたね(笑) (まなぶ)齊藤工さんとの出会いなんですけど。実は、このcinema birdのイベントに呼んでもらうまで一度もお会いした事が無かったんです。都内でナレーションの仕事があって二人でタクシーに乗って到着したら、工さんがそこにいらっしゃって。たまたま同じスタジオをその前に使っていたみたいなんですが、30分くらいわざわざ僕たちが来るのを待っていてくれていたんです。良い話でしょ?

ミラクルひかる コメント

波の音が心地よいですね~。10年前にショッピングモールで営業のライブを見に来てくれていた方もいると思います、お久しぶりです(笑)沖縄だと、モノマネパブでしか、モノマネを見たことが無い人もいるかもしれませんね。(沖縄の思い出を聞かれて)両親の新婚旅行が沖縄だったんです。私は居なかったんですけどね(笑)すごい派手な格好でサングラスして映っている写真が残ってるんですよ。(永野さん話題になると)今年になって永野さんの面白さにようやく気付いて。ライブで全力で笑っちゃうんですよね、右脳を呼び覚ます笑いだな、と(笑)

Chara コメント

波の音が良い感じですね。ちょっと眠くなっちゃいますね(笑)今日はみんなのキャンプファイヤーの炎になれれば良いなと思っています。(伊藤歩がセッションで合流後)歩は海が好きでよく潜るんだよね。昨日は潜ったの?私は海面の上の方で浮いているシュノーケリングが好き。今日結成して、今日解散になっちゃうのかな、私たち。出会いは20年以上前だよね、岩井俊二監督の『スワロウテイル』で。今日、本当に晴れて良かったです。工くん雨男だって聞いてたから(笑)