不器用だけど真っ直ぐ生きる男たちの人生活劇『ハード・コア』の本編映像が解禁された。

都会の片隅で豊かでも恵まれてもいない日々を送る正真正銘のアウトロー・権藤右近(山田孝之)。ピュアで世知辛い世の中に馴染めず信念を曲げることができずに居場所を失くしてきた彼と、素朴な友人・牛山(荒川良々)の面白くも無為な日々を見守る権藤の弟・権藤左近(佐藤健)。彼らはやがて破天荒な事件に巻き込まれ、人生を一変するやも知れない事態に直面する―。主演を務める山田孝之が盟友・山下敦弘監督と組み、愛読書であったコミック「ハード・コア-平成地獄ブラザーズ」を完全映画化。さらに佐藤健、荒川良々が共演する。

今回解禁された本編映像は、右近(山田孝之)と左近(佐藤健)が居酒屋で殴り合うシーン。右近が想いを寄せる職場の上司・水沼(康すおん)の娘・多恵子について左近が「兄貴、やめとけ。あれは兄貴の手に負える女じゃねえ」と口にするシーンから始まる。多恵子のことを何も知らない左近だったが、右近に忠告しながらも「俺がいい女紹介するは」と一言放った瞬間に右近の怒りが爆発し左近を殴り飛ばし、殴られた左近も右近を殴り返す。あまりにも純粋で、現代社会に溶け込めず世直しするべく日々の生活を送る右近に「何が世直しだよ」と言い放つ左近に、右近は「間違っていることを間違っていると言って何が悪いんだよ」と信念を叫び、権藤兄弟の哲学がぶつかり合う。

山下監督はこのシーンについて「山田くんと佐藤くんには、右近と左近が兄弟としてリスペクトし合っているということを表現したいと伝えました」と語り、その言葉を受けて山田は「右近は左近が言わんとしていることもとっくに分かっている。でも、できないというか、左近のように賢くなんか生きたくないと思っている。その繰り返しなので、返す言葉の強さやタイミングなんかも気にかけながら演じました。あのシーンでは、右近が観ている人から愛される存在でなきゃいけない。右近が言っていることは、みんなが思っていることじゃないですか。出来ることなら右近のように生きたいけど、そうしない方が賢い――それが今の世の中の生き方です。諦めているというか。だからこそ、世の中に反抗している右近が可哀想なだけではなくて、カッコよく見えたり、構ってあげたくなる存在にならなければいけない。それを、ちょうど良いバランスで表現するのは難しかったですね」と語っている。「居酒屋のシーンは、この映画の見方がようやく分かるところ」と山下監督が語るほどの重要なシーンで、熱く演じた山田と佐藤の演技に注目だ。

本編映像

映画『ハード・コア』は2018年11月23日(金・祝)より全国で公開!
監督:山下敦弘
原作:狩撫麻礼・いましろたかし「ハード・コア-平成地獄ブラザーズ」(エンターブレイン刊)
出演:山田孝之、佐藤健、荒川良々、石橋けい、首くくり栲象、康すおん/松たか子
配給:KADOKAWA
© 2018「ハード・コア」製作委員会