水谷豊監督第2作『轢き逃げ -最高の最悪な日-』のテーマソングが手嶌葵が歌う「こころをこめて」に決定し、併せて予告編が解禁された。

ある地方都市で起きた交通事故。一人の女性が命を落とし、轢き逃げ事件へと変わる。加害者、被害者だけでなく、平穏な日常から否応なく事件に巻き込まれる人々。それぞれの人生が複雑に絡み合い、それぞれの抱える心情、隠された思いが浮き彫りになっていく。だが、本当の「真相」はまだ深い闇の中にあった・・・。初監督作品『TAP -THE LAST SHOW-』における圧巻のタップダンス映像と確かな演出で、監督としての第一歩を踏み出した水谷豊による監督第2作は一転して、他人には見せる事のない“人間の心の奥底”に深く切り込む。

今回、自ら初めて脚本を務めた水谷監督が、執筆段階で構想を抱いていたのが、観た人が映画館を出るときに前向きな気持ちになってほしい、そのためには優しく包むような女性の声で最後を締めてほしい、ということ。その思いを受けた制作陣から名前が挙がったのが、映画『ゲド戦記』挿入歌「テルーの唄」でデビューし、その後も数々の主題歌やCMソングを通し、その唯一無二の歌声で多くの人を魅了してきた手嶌葵。透き通る声を持つ女性という監督のイメージとも合致し、即決。すぐにオファーをし、水谷豊監督と手嶌葵の初タッグが実現した。

あがってきたデモ音源の中から監督を含めた制作陣で話し合い決定した今回の楽曲。その後に歌詞がつけられ、レコーディングで手嶌が命を吹き込むことで、水谷監督が作品を通して描きたいと話す“人間の心の奥底”に寄り添う、テーマソング「こころをこめて」が誕生した。轢き逃げ事件を起こした秀一の親友で、自身も助手席にいた輝が、学生時代聞き続けた思い出の曲という設定。劇中では事故を起こしたあと、秀一の部屋で2人が聞く劇中歌として使用され、そしてエンディングでも物語の余韻とともに映画を締め括る存在として非常に大きな役割を担っている。なお、楽曲のリリースは未定となっている。

併せて解禁された予告編は、「轢かれた時、娘は生きていたんですか・・?」と水谷が演じる被害者の父・時山の悲痛な問いかけから始まり、これまで伏せられてきたスト―リーが明らかになる。新たな謎が提示される前半では、主人公の2人が起こした轢き逃げ事件をきっかけに出会うはずの無かった7人が交差する、スリリングな展開が予期される。一転、後半からは手嶌の歌うテーマソングを背景に、7人の心の動きが印象的なセリフとともに描き出されていく。果たして、7人がたどりつく“真相”とは何なのか。そして、そこから出すそれぞれの“答え”とは―。

監督のリアルな配役への拘りから主演の2人である中山麻聖と石田法嗣をオーディションで選び、若手注目株の小林涼子・毎熊克哉も参加。檀ふみ、岸部一徳のベテラン勢らとともに、他人には見せる事のない“人間の心の奥底にあるもの”に切り込んでいく。予測不能のサスペンスから深い感動へ観る者を連れ去る、水谷豊が挑む「新たなる世界」が生まれようとしている。

手嶌葵(主題歌)コメント

水谷さんの作品は多く拝見しているので、お話を頂いた時には非常に嬉しく思いました。
人間、友情、愛情について、そしてその時々で、自分の正義感がどう動くのか、観ている中でも、観終ったあとでもいろいろなことが浮かぶ映画でした。その中の凄く印象的なシーンでテーマソングを使って頂いて、嬉しいですし、とても幸せな思い出の中で、佇んでいるような、漂っているような素敵な詞の内容やメロディなので、映画を観て下さっている方に少しでも寄り添えるようにシンプルに歌うことを心がけたつもりです。水谷監督とは初号試写の時に初めてお会いしましたが、とてもやわらかな雰囲気をお持ちで、素敵な監督さんとご一緒できたのだと、とてもありがたく思いました。
様々な方に楽しんで頂ける作品だと思います。いろいろなことを考えながら、感じながら、ご覧いただけると嬉しいです。

水谷豊(監督・脚本)コメント

テーマソングには女性の声がいいと決めていて、プロデューサーに希望を出したところ、一番最初に候補としてあがってきたのが手嶌葵さんでした。彼女の透き通る歌声を聞いて迷うことなく、この声だ、と感じました。
楽曲作りに関しては、特にストーリーに寄せてもらう必要は無く、1点だけ、どこか母性が現れる優しさが欲しい、とお願いをしました。
轢き逃げ事件をきっかけとする物語ではあるものの、最後は未来に向かって前を向いていきたい、そう思っていましたが、この素晴らしい歌声と楽曲が、すべてが終わった後、映画の締めくくりとして流れることで、その思いを叶えてくれました。

予告編

映画『轢き逃げ -最高の最悪な日-』は2019年5月10日(金)より全国で公開!
監督・脚本:水谷豊
出演:中山麻聖、石田法嗣、小林涼子、毎熊克哉/水谷豊、檀ふみ、岸部一徳
©2019映画「轢き逃げ」製作委員会