村上龍の小説をハリウッドで映画化した『Piercing(原題)』が『ピアッシング』の邦題で6月28日(金)より公開されることが決定した。

村上龍の小説がハリウッドで映画化した本作は、愛する者にアイスピックを向ける衝撃的なシーンで幕を開け、ラストの1秒まで緊迫感が持続する衝撃のサイコスリラー。原作から強烈なインスピレーションを受けたのは、米インディーズ界の新鋭ニコラス・ペッシェ監督。

殺人衝動を持つ男と、自殺願望を持つ女が出会った一晩の物語は、過激でセクシャルという言葉だけでは到底説明しきれない展開で観る者を挑発。これまでの“サイコスリラー”というジャンルが陳腐に思えるほど、洗練された映像と数々の造形物を背景に、目眩がするほど濃密でスリリングな時間がスクリーンを支配している。本作が上映された2018年のサンダンス映画祭は再び衝撃に包まれ、熱狂的な評価が徐々に拡散。スイスのヌーシャテル国際ファンタスティック映画祭で国際批評家賞、未来イメージ賞の2部門に輝いた他、世界各国で数多くの賞にノミネートされている。

出演は『ファースト・マン』のクリストファー・アボットと、『アリス・イン・ワンダーランド』のミア・ワシコウスカ。端整な顔立ちと静かな表情の中に抑えきれない狂気を混在させた男と、些細なことで壊れてしまいそうな危うさと美しさと孤独を抱えた女を、繊細かつ圧倒的な演技で魅せている。

ペッシェ監督は次回作で『呪怨』のリブート版に取り組むなど、日本文化を敬愛。劇中のインテリアに荒木経惟の写真を使っているほか、和洋芸術の絶妙な親和性が作品に不思議な深みを与えている。また、スタイリッシュでありながら現実との境界線が曖昧な建物造形も、オリジナリティあふれる世界観を形作っている。原作者である村上龍も大絶賛。国を問わず、時代によって色あせることのない村上龍の小説が、気鋭のフィルムメーカーの手によって新たなアート作品として誕生した。

ストーリー

主人公は自分の幼い娘をアイスピックで刺したいという衝動に駆られる男。彼はその衝動を抑えるため、SM嬢をホテルに呼び出して殺害する計画を立てる。しかし計画は滑稽なほど思い通りにはいかない。ホテルにやってきた女は、いきなり自分自身を傷つけて倒れこんでしまう。これはリアルな悪夢なのか、シュールな現実なのか?刃を外に向ける者と内に向ける者は、磁石のプラスとマイナスのように交わり、やがて共鳴していくのだろうか・・・。

映画『ピアッシング』は2019年6月28日(金)より新宿シネマカリテほか全国で公開!
脚本・監督:ニコラス・ペッシェ
出演:クリストファー・アボット、ミア・ワシコウスカ、ライア・コスタ
配給:パルコ
©2018 BY PIERCING FILM. LLC. ALL RIGHTS RESERVED.