渡辺謙、ケリー・オハラ主演のミュージカル『The King and I 王様と私』が9月27日(金)より凱旋公開されることが決定した。

本作の物語の舞台は、1860年代初頭のシャム(現在のタイ王国)。英国人女性アンナは、シャム王の夫人たちと子供たちの家庭教師をするために、息子を連れてバンコクにやって来る。すぐに子供たちと仲良くなるアンナだが、専制君主の王とは事あるごとに衝突。しかし英国公使の接待にアンナが一役買ったことをきっかけに、王とアンナの心は通いあっていく―。リチャード・ロジャース(作曲)&オスカー・ハマースタインII(脚本・作詞)の代表作として名高いこのミュージカルは、1951年ブロードウェイで初演。56年に映画化。その後も再演を重ねているが、その中にあって2015年版が特に輝きを放つのは、“異なる文化的背景を持つ者同士の相互理解“という現代的なテーマを打ち出した点。水と油のように相容れない価値観を持つアンナと王が、考えをぶつけ合いお互いへの理解を深め、感謝と尊敬の心で結ばれていく姿は、多様性の時代に何が必要なのかを表し、今こそ観るべきミュージカルとして、人々の心を捉えている。

王様を演じるのに欠かせないカリスマ性と威厳を演出家バートレット・シャーに見初められ、シャム王役に抜擢されたのは、日本が誇る国際派スター渡辺謙。2015年に、ミュージカルの聖地NYでブロードウェイ・デビューを果たし、本作でトニー賞ミュージカル部門の主演男優賞にノミネート、さらに今年ロンドン版にてローレンス・オリヴィエ賞にも同様に主演男優賞にノミネートされる快挙を成し遂げた。単なる暴君ではなく、強国の脅威にひとりで立ち向かう王の孤独を繊細に表現した演技には、アジアの俳優ならではの感性が光る。

その王に反発しながら惹かれていくアンナ役は、本作でトニー賞ミュージカル部門の主演女優賞を受賞したケリー・オハラ。アンナと王がダンスを通じ心通わせる「Shall We Dance?」の名場面では、渡辺謙との息の合ったパフォーマンスで観客を魅了。またトニー賞助演女優賞に輝いたルーシー・アン・マイルズもチャン夫人役で存在感を発揮。さらに日本からはミュージカル「ファントム」やTVドラマ「Jin-仁-」でおなじみの大沢たかおが、シャム王の忠実な家臣であるクララホム首相役で参加し、迫力ある演技を披露する。

2015年4月16日、バートレット・シャーの演出でブロードウェイ19年ぶりのリバイバル上演を果たした『The King and I 王様と私』は、開幕と同時に批評家の絶賛を浴びた。さらにトニー賞9部門の候補になり、ミュージカル部門のリバイバル作品賞はじめ4部門を受賞。チケット入手困難な人気作品としてロングランを記録した。その評判は、もうひとつのミュージカルの聖地ロンドンにも波及し、2018年7月3日(プレビュー開始は6月21日)から約3か月間、ウエストエンドのパラディウム劇場で上演されると、ブロードウェイ公演に勝るとも劣らない人気を博しローレンス・オリヴィエ賞にも4部門にノミネートの快挙を果たした。

2月22日に東京と大阪での3日間限定プレミア上映の反響の大きさと、7月11日(木)から華々しく開幕した東急シアターオーブでの主演・渡辺謙とケリー・オハラの来日公演がチケット完売であることを受けて、9月27日(金)より全国で凱旋公開されることが決定した。現代的なテーマに焦点を当てた演出と、超豪華キャスト陣の演技で、ミュージカルの2大聖地でも高く評価されている2015年版伝説のプログラムを大スクリーンで体感しよう。

ロンドン版『The King and I 王様と私』は2019年9月27日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほかにて凱旋公開!
配給:東宝東和
©Matthew Murphy