『タロウのバカ』の完成披露上映会が8月26日(月)にテアトル新宿で行われ、YOSHI、菅田将暉、仲野太賀、大森立嗣監督が登壇した。

大森監督が20年前に書いた脚本が念願の映画化となった本作。劇中で使用されるマスクをかぶって登壇した4人。大森監督は「まさかこんな舞台挨拶になるとは。こんなに苦しいものだと思わなかった」とマスクのかぶり心地を知り、苦笑いを見せた。また、本作が俳優デビューとなるYOSHIは「超緊張する!何言ったらいい?」と菅田に問いかけるなど、和気あいあいとしたイベントとなった。

現在16歳で、撮影時は15歳だったというYOSHI。モデルをしていたというYOSHIをSNSで見つけたという大森監督は“14歳 有名人”で検索した結果、下のほうにYOSHIを見つけたと明かし、会場は笑いに包まれた。

そんなYOSHIと初めて会った時のことを「絶句でした」と振り返り仲野。菅田は「この一年ですごい大人になってる」と言いつつ、「新人類ですよ」と驚きを隠せなかったことを明かした。さらに仲野は「いろんなものを飛び越えてくるのがYOSHI」とその驚きを表現した。

YOSHI自身は撮影時は緊張しなかったといい、今回の舞台挨拶のほうが緊張していると明かした。その衝撃の出会いから、菅田と仲野は「この才能を生かすも殺すも俺ら次第。結構会議をした」と2人で話し合ったといい、「放っておいたらこいつは事故にあう。しょうもないことで未来を失われるのは惜しい」とYOSHIを育てていく決意をしたことを明かした。見守る2人のおかげで撮影も順調に行われたようだが、YOSHIは「ご飯に行って仲良くなれたことが大切でした」と答え、2人に感謝の気持ちを語った。

また、撮影中にはYOSHIの変化も見て取れたようで、「大人と子どものはざまというか、あいまいなところを絶妙に撮れた」と振り返る仲野は「そこに立ち会えたのがよかった」とYOSHIとの出会いに感謝した。

最後に仲野は「YOSHIに引っ張ってもらう瞬間は何度もありました。わからないものや刺さりすぎるものへのアレルギーはあって、それは分かるんですけど、映画を一度見ていろんなものを感じてほしい」、菅田は「たぶんタロウをできる人はYOSHIしかいないしYOSHIがやったからタロウになった。見たら何かしなきゃと思うと思います。何よりもYOSHIというスーパースターとの出会いがいろんな人にいろんなものを送るんじゃないか」、YOSHIは「映画は一つの答えにいきがちなんですけど、この『タロウのバカ』は何個も正解があると思う」と本作をアピールした。

タロウ、エージ、スギオ。刹那的に生きる3人の少年を描く、純粋で過激な問題作。生まれてから一度も学校に通ったことがない主人公・タロウを演じるのは、本作が俳優デビュー作となる16歳のYOSHI。菅田将暉と仲野太賀が、タロウと行動を共にする高校生のエージ役とスギオ役を演じる。全編が寓話のようでいて、まるで今の日本社会の理不尽さを取り込むように、フィクションであることを忘れるほどの生々しいリアリティとスリル溢れる映像世界を描き出した本作。大森立嗣監督が20年余り前から書き温めていたオリジナル脚本による、渾身の一作に仕上がっている。

【写真/蔭山勝也、文/編集部】

映画『タロウのバカ』は2019年9月6日(金)よりテアトル新宿ほか全国で公開!
監督・脚本・編集:大森立嗣
出演:YOSHI、菅田将暉、仲野太賀、奥野瑛太、植田紗々、豊田エリー、國村隼
配給:東京テアトル
©2019映画「タロウのバカ」製作委員会