『台風家族』のお披露目イベントが8月31日(土)に都内で行われ、草彅剛、MEGUMI、甲田まひる、市井昌秀監督が登壇した。

本作は、出演する新井浩文被告が強制性交罪で起訴されたことから公開が延期されていたが、9月より編集を行わうことなく3週間限定公開されることが決定している。

主演の草彅は「紆余曲折があって、延期になって、ようやく公開にたどり着くことができました。これもみなさんの応援のおかげでだと思います。感謝しています」とファンにメッセージを送り、「普通に映画は公開されるのが当たり前だと思っていたんですけど、こういうことになって、何事もなく公開できる映画っていうのは幸せなんだなと本当に思っています」とコメント。続けて「去年の夏に僕たちがかけたこの情熱は、何かみなさんの心に触れるものがあると思います」と語った。

去年の6月~7月の記録的な猛暑の中で撮影された本作だが、主な撮影が行われた民家ではクーラーもついていなかったということで「言いたくないんですけど」と前置いたうえで「本当に暑くて。絶対に言わないと思いつつも」と何度も繰り返すほどの過酷なロケだったことを明かした草彅。さらに「熱中症にならなかったのが奇跡だったと思う」と語った。

そんな過酷な状況でのロケは、家族を演じるキャストにもチームワークをもたらしたようで、「家族のような空気感になった。これだけ共演者と近くなる現場は今までなかった」と振り返るMEGUMI。草彅も「冷たいものを渡しあうのが家族みたい」とチームワークの良さを語った。

今回映画初出演となった甲田は「緊張しています」とコメントしつつ、その演技力は草彅も絶賛で本作を「(甲田演じる)ユズキちゃんの目にかかってる」というほどだった。

また、草彅は自身の役どころを「今までにやった中で一番クズでどうしようもない約。最後までネチネチしているので、僕だったらもうちょっと早くあきらめちゃう。逆にそこまでこだわっている小鉄(草彅の役名)はすごい人だなと」と思ったことを明かした。

最後に草彅は「声を出して笑うところもたくさんあるので、大声で笑っていただきたいです。最後に温かい感情が押し寄せてくると思うので、温かいものを持って帰ってほしいです」と本作をアピールした。

本作は、市井昌秀監督が構想から12年間あたためてきた“両親への想い”を形にしたオリジナルストーリー。鈴木家のきょうだいは10年ぶりに実家へ戻ってきた。銀行強盗を企て2000万円の大金と共に忽然と姿を消してしまった両親の“見せかけ”の葬儀を行うために。そこには〈怒り〉〈愛情〉〈嫉妬〉〈後悔〉〈許し〉・・・誰もが共感するさまざまな感情が紡がれている。世界一“クズ”な一家だけれど何故か憎めない、そんな愛すべき鈴木家の“台風”のようなめまぐるしい夏の一日は、果たしてどんな結末を迎えるのか。ブラックユーモアあふれる物語に隠された家族ひとりひとりの想いを知ったとき、思いがけない大きな“感動”が押し寄せてくる―?家族って何だろう──これは普遍的な“家族”の物語。

【写真・文/編集部】

※初稿掲載時に草彅剛さんの漢字に一部誤りがございました。ご迷惑をおかけして大変申し訳ございません。

映画『台風家族』は2019年9月6日(金)より26日(木)まで全国で3週間限定公開!
監督:市井昌秀
出演:草彅剛、MEGUMI、中村倫也、尾野真千子、若葉竜也/甲田まひる、長内映里香、相島一之、斉藤暁/榊原るみ・藤竜也
配給:キノフィルムズ/木下グループ
©2019「台風家族」フィルムパートナーズ