『男はつらいよ お帰り 寅さん』の公開記念舞台挨拶が12月26日(木)に丸の内ピカデリーで行われ、倍賞千恵子、吉岡秀隆、後藤久美子、前田吟、池脇千鶴、美保純、佐藤蛾次郎、桜田ひより、北山雅康、笹野高史、夏木マリ、浅丘ルリ子、山田洋次監督が登壇した。

第1作から50周年という今年、シリーズ50作目となる本作の公開を翌日に控えて山田監督は「この映画では主役は渥美清。結局そうなってしまう。しかし、それを超えてこの作品がみなさんに語り掛けるのは、渥美さんを中心にして大勢の俳優さんたちを含めて、この50年という時代が主役になっているんじゃないか」と語り、観客に向けて「この映画を見ながら、今日までの人生を振り返っていろんなことを閑雅ることができんじゃないか、そういう映画であってほしい」と投げかけた。

第1作からすべての作品に出演する倍賞は「お兄ちゃんがいたらどうだったかなと思うけど、どこかで見ててくれるんじゃないかなという気がしながら撮影していました。お兄ちゃんもきっと喜んでいると思います」とコメントし、目に涙を浮かべながら、「人間としていろいろなことを学ばせていただいた映画です。出演できて、生きていてよかったなと思います」と笑顔を見せた。

マドンナを務めた回数がシリーズ最多となる浅丘は「50作目で6本出ることになります。リリーさんは素敵な役で、(自身が演じる役の中でも)やりやすい役です。こうやって50本まで出させていただいて本当にうれしいです」と山田監督に感謝の気持ちを語った。

また、「ただ、ありがとうの一言です」と後藤がコメントし、前田も「寅さんは生きているだとしみじみと感じました」とそれぞれが寅さんを演じた渥美清に思いをはせた。

今回、シリーズに初出演となる池脇は「みんなの心の中に寅さんはずっと生きていて、みんなが背中を押してもらったりしていて、すごくうらやましいなと思いました。会いたかったです」と感慨深げに語り、同じく初出演となる桜田は「現場にいるときも常に心の中に寅さんがいた気がします。オーディションでも見守ってくれていたんじゃないかと思います。本当に感謝しかないです」とコメントした。

最後に山田監督は「期待に応えられる映画であることを心から願います。最後までみなさんが楽しんでくださるように、拍手をくださるような映画だと嬉しいです」とメッセージを送った。

『男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花 特別篇』(1997)以来、22年ぶりの新作は、車寅次郎(渥美清)の甥・満男(吉岡秀隆)と満男がかつて思いを寄せていたイズミ(後藤久美子)のその後の物語。別々の人生を生きてきた二人を軸に、さくら(倍賞千恵子)や博(前田吟)、そしてくるまやを囲む人たちの今が描かれる。不透明な時代を生きていく私たちのために、昭和から現代に虹をかけるように、今、寅さんがスクリーンに蘇る―。

【写真・文/編集部】

映画『男はつらいよ お帰り 寅さん』は2019年12月27日(金)より全国で公開!
原作・監督:山田洋次
出演:渥美清/倍賞千恵子、吉岡秀隆、後藤久美子、前田吟、池脇千鶴、夏木マリ、浅丘ルリ子、美保純、佐藤蛾次郎、桜田ひより、北山雅康、カンニング竹山、濱田マリ、出川哲朗、松野太紀、林家たま平、立川志らく、小林稔侍、笹野高史、橋爪功
配給:松竹
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