『水曜日が消えた』の大ヒットを記念した舞台挨拶が7月3日(金)に全国87館の映画館で生中継され、中村倫也、石橋菜津美、深川麻衣が登壇した。

公開してから2週間が経った本作だが、主演の中村は「ありがたいことに、観てくださった方からの評判が良くて、嬉しい限りですね。親とかにムビチケをプレゼントしたのですが、“今日観に行ってきました!”って連絡が来たりしました。僕は友達が何分少ないもんで、暗い話になるのでやめておきます(笑)」と笑いを誘い、石橋も「姉が10年ぶりに映画を観にいった、ということでした(笑)すごい喜んで、観終わってすぐ電話がかかってきました」、深川は「私も友達や家族から映画館で観たよって連絡もきました。私も映画館に観に行きました」と周囲からの良い反響が寄せられていることを明かした。

劇中では1人での場面が多かった中村だが、「前半、1人家でぶつぶつやっているのが多くて、後半も自分と芝居したリト、何分初体験が多かったですね。あとはとにかく、寂しかったですね」と振り返ると、石橋さんも「寂しいってずっとおっしゃってましたね。(中村は)ムードメーカーってほど何かしているわけではないけど、いるだけでほわっとする感じ?現場に入ると締まる感じで、不思議な方だなと思いました。ご一緒する時間も少なかったので、掴めない方だなと思いました」と中村のイメージを話すと、中村も「今日はいろいろな意味でディスタンスがあると」と、冗談を交えて返した。

また、深川さんも「私も今回初めましてだったんですけど、石橋さんが言ったみたいに、掴みどころがなくて、でも行動と言葉が予測できなくて、ぽっと言った言葉が現場を和ませてくれたり、優しいお兄さんという感じです」と中村の印象を話すと、中村は「僕の方が年上なのに、(役柄から)お姉さんって感じがしていて、でもお兄さんって言われて、混乱しています」と、恥ずかしがる場面もあった。

印象的なシーンについて石橋は「私は(中村さんが)花束を持ってジャンプしているシーンがいちばん好きなのですが、本当に可愛くて、ファンとして見てました。ファンになるなって思いました(笑)」と中村をベタ褒めし、中村は「何言っているんですか(笑)」と言いつつ「アリトゥース」と返し、深川は「後半の告白のところとか、台本だとちょっと視界が途切れるって書いてあって、どうやって撮影するんだろうって思ってて、相談しながら撮影していたんですが、見事で監督さすがだなって思いました」と語った。

中村も自身で撮影するシーンに関して振り返り、「カメラマンもやっていたんですよね。別途ギャラを交渉しなきゃなって思ってたんですけど(笑)みんなで吉野さんのイメージを共有しながら、一個一個やっていきました。役者セクションだけじゃない、作るパートもやらせていただいたので、楽しかったです」と今回の経験を振り返った。

さらに深川は「撮影中もですが、撮影以外でも遊び心がある方で、こんなに自由でいいんだ、と発想とか引き出しとかが物凄い方だなと思いました。毎回ちょっとずつカメラが回るたびにやることが違ったり、休憩中も吉野監督の似顔絵書いていたり、なんて言うんですかね・・・」と言葉に詰まると、中村が「アホってことですか?」とツッコミを入れる場面も。

“火曜日の僕”がルーティーンを大事にすることから、ルーティーンについて話が及ぶと深川が「朝にカフェオレを飲むくらいです。シャキッてします。自分で入れるインスタントのやつです」と話し、中村は「僕はあんまないですね。世界平和について考えるくらい?・・・映画のスタッフしか笑っていないですね。寝る前に動物のことを調べるくらいですね。そうして蓄積した知識の出しどころを探っています(笑)」と、石橋が「私もあんまりなくて、窓を開ける?ですかね。」とそれぞれのルーティーンを話した。

最後に中村は「“中村倫也が7人格を演じたこと”がコアな部分ではなく、ささやかな、じんわりと手の中に残る、肌触りのある作品かなあと思います。エンドロールも遊び心あったと思います。面白かったよって誰かに言いたくなる作品になっていたら嬉しいなと思います」と本作をアピールした。

本作は、1人の人間の内側で、曜日ごとに入れ替わって暮らしている7人の“僕”が主人公。他の“曜日”とは、直接会うことはできず、日記を通してのみ間接的に互いを知っている。そのうちの最も地味でつまらない1人、通称“火曜日”の視点を通して描かれていく世界の物語。主人公を演じるのは、「日経トレンディ」が選ぶ「2019年 来年の顔」に選出され、話題作への出演が相次ぐ中、『凪のお暇』のゴン役でも大きな話題を呼んだ中村倫也。メガホンをとるのは次の時代を担う気鋭の映像クリエイター100人を選出するプロジェクト「映像作家100人2019」に選ばれるなど注目を集める吉野耕平。

映画『水曜日が消えた』は全国で公開中!
監督・脚本・VFX:吉野耕平
出演:中村倫也/石橋菜津美、中島歩、休日課長/深川麻衣、きたろう
配給:日活
©2020『水曜日が消えた』製作委員会