『ソワレ』の記者会見が8月19日(水)に日本外国特派員協会で行われ、村上虹郎(岩松翔太役)、芋生悠(山下タカラ役)、外山文治監督、豊原功補プロデューサーが登壇した。

会見の冒頭で「映画の独自性と自由度をなくすべきではないということを第一に映画を制作しました」と語る豊原プロデューサー。その豊原とタッグを組んだ外山監督が「今の若者の葛藤を背負っていただくには一番適した俳優」と称した村上、「可憐で儚い部分と、生命力がある部分、その両方を持つ女優」という芋生をW主演に迎えた本作。

“虐待というテーマと対峙するのは難しかったのでは?”という質問に、村上は「僕が演じた役は普遍的で、自分が夢を持っている中での戦い」と語る一方で、芋生が演じたタカラについて「絶対的な弱者。思いが半ばくじけ気味な彼をほんの一瞬ヒーローにしてくれる」と語った。芋生は「虐待を体験したことはありません。体験ができないとなったときに、“こんな気持ちだったんじゃないか”というエゴではなく、タカラと向き合って歩むことで、演じている間に気づくこともありました。自分自身で道を選んで、何度でもやり直せて、何度でも立ち直れるということをこの映画の中で表現できればと思いました」と語った。

また、“現代社会の不寛容さへの解決策”を聞かれた外山監督は「解決策は今ここでは言えないのですが、作品を撮り続けていくこと、こういう人がいるんだということを発信していくことしかないのではないかと思っています」とコメント。村上も深く考えつつ「愛を持って厳しくしてくれているのか、見つけることが大事だと思います」と語り、芋生は「映画を愛して、役者としていき続けることで、一人でも少しでも希望を与えられたら」と語った。

原功補、小泉今日子、外山文治監督らで立ち上げた映画制作会社「新世界合同会社」の第1回目のプロデュース作品である本作。世界からも注目を集める外山文治監督が、和歌山を舞台に描いたオリジナル作品。主人公・翔太を演じる実力派俳優・村上虹郎と、100人以上のオーディションから大抜擢され、インディーズ映画で最注目の新星・芋生悠の2人をW主演に迎え、若い男女の切ない逃避行を映し出す。

【写真・文/編集部】

映画『ソワレ』は2020年8月28日(金)より全国で公開!
監督・脚本:外山文治
出演:村上虹郎、芋生悠、岡部たかし、康すおん、塚原大助、花王おさむ、田川可奈美、江口のりこ、石橋けい、山本浩司
配給:東京テアトル
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