『東京バタフライ』の公開記念イベントが9月3日(木)に都内で行われ、白波多カミン、水石亜飛夢、小林竜樹、黒住尚生、佐近圭太郎監督が登壇した。

本作が長編映画初出演にして主演を務めたシンガー・ソングライターとして活動する白波多。主人公の安曇を演じてみて、「自分と安曇がどんどん重なっていって。自分がどっちだったかなと思うくらいにリンクする瞬間もありました。自分の経験から感情を引き出して演じたところも多いので、重なっているところもたくさんありました」と振り返り、アーティストとして共感することも多かったという。ギタリスト・仁役の水石も「実はこの中では、僕が最年少なんですよ。だから裏ではお兄さん、お姉さんに支えていただきながらも、お芝居としては仁の熱さと厚さを出せるように頑張りました」と続けた。

さらにベース・修役の小林が「僕自身、役者を目指してきて。少しはお金ももらえるようになってきましたが、修のような経験は何度もしてきました。本気で何回もやめようと思ったこともありましたし、まわりで辞めていく人も見てきましたし。役を作るというよりは自分の中にあったものを佐近監督が切り取ってくれたという感じでした」と語った。ドラム・稔役の黒住も「稔は、自分が何をしたいかというよりも、自分の場所を守りたいキャラクター。人との関係性を壊したくないというのはけっこう大事にしました」とそれぞれが役作りについてコメント。それを受けて佐近監督は「僕の中ではサクセスストーリーを作るつもりはなかった。それよりも夢破れた先の人生に興味があって。そういう人を描きたいと思いました」と本作のテーマについて明かした。

“自分たちの夢にどう向き合うのか”というテーマを持つ本作にちなみ、それぞれの夢、踏み出したいことなどについて質問された登壇者たち。白波多が「常にありますね。新しい自分に会えたらうれしいし、新しい景色が見られたらうれしい。常に発見していきたいです。これからもお芝居はどんどんしたいなと思いました。ぜひどなたかお願いします」と女優への意欲を見せると、水石も「僕もまだ、夢なかばというか。僕は最初から俳優になりたかったわけではないんですが、不思議なご縁で俳優という道に進んでいます。僕の名前はアジア(亜)を飛ぶ夢という由来があるんですが、その名前をまっとうできるような俳優になりたいと思っています。身近な目標としては、新人俳優賞を取ることができるような実力を持てるようになりたい。そこから日本と他の国を結べるような俳優になれたら」と俳優としての決意を語るひと幕もあった。久しぶりの再結集となったキャスト陣と監督は、この再会を噛み締めるように終始笑顔が絶えない舞台挨拶となった。

かつてメジャーデビュー寸前まで行った人気大学生バンド4人組。ささいな行き違いで解散してしまった彼らは、6年後、20代後半となってそれぞれの生活を歩んでいた。結婚、仕事、人間関係―。さまざまな人生の悩みに直面した彼らは、ふとしたきっかけで再び集まることになる。叶わなかった夢の残り香を胸に、30代を迎えようとする彼らのリアルに描く。主演にシンガーソングライターとして活動する白波多カミンを迎え、水石亜飛夢、小林竜樹、黒住尚生ら新進気鋭のキャストが集結。人生うまくいかないことだってあるけれどそんな中でも腐らず目の前の生活を一生懸命生きる若者の姿を描き、生きていく上で誰もが抱える後悔や挫折とストーリーをリンクさせ同世代へ共感を誘う。

映画『東京バタフライ』は2020年9月11日(金)よりアップリンク吉祥寺ほか全国で順次公開!
監督・編集:佐近圭太郎
出演:白波多カミン、水石亜飛夢、小林竜樹、黒住尚生
配給:SDP
©2020 WIT STUDIO/Tokyo New Cinema