『東京バタフライ』


Tokyo New Cinema × WIT STUDIOによる第4弾となる待望の最新作『東京バタフライ』が9月11日(金)より公開される。

ここ数年、日本でも急速に名を知られるようになった日本の映画製作タッグがある。それは、2015年に設立されたまだ若い企業だが、手掛けた作品すべてが国際映画祭に出品・受賞をするなど、いま大注目の映画会社Tokyo New Cinemaと、「進撃の巨人」「甲鉄城のカバネリ」「ヴィンランド・サガ」など大ヒットアニメを手掛けるアニメーションスタジオWIT STUDIOのタッグだ。これまで『四月の永い夢』や『わたしは光をにぎっている』、『静かな雨』など今や映画ファンにとどまらず、アートやカルチャー系の人々にまで伝播している。

そんなTokyo New Cinema × WIT STUDIOによる第4弾となる待望の最新作『東京バタフライ』が9月11日(金)よりアップリンク吉祥寺ほかにて全国順次公開となる。かつてメジャーデビュー寸前までいったが、ささいな行き違いで解散してしまったバンド4人組。その後、さまざまな人生の悩みに直面した彼らは、ふとしたきっかけで再び集まることになる。過去の後悔や挫折と向き合い、必死にもがきながら目の前の生活を一生懸命生きる若者の姿を描いた作品で、同世代への共感必至な作品に仕上がっている。今回監督を務めるのは、池松壮亮主演の『家族の風景』で福岡インディペンデント映画祭2014最優秀作品賞&主演男優賞、TAMA NEW WAVE 2013映画祭特別賞&主演男優賞を受賞、2018年には『女優 川上奈々美』でゆうばり国際ファンタスティック映画祭や米国アカデミー賞公認ショートショートフィルムフェスティバル&アジアへ正式出品されるなど、かねてより注目を集める新鋭・佐近圭太郎。今回満を持しての初長編作品となる。

『四月の永い夢』(2017)は、第39回モスクワ国際映画祭で国際映画批評家連盟賞とロシア映画批評家連盟特別表彰をダブルで受賞。『わたしは光をにぎっている』(2019)では主演に松本穂香を抜擢し、モスクワ国際映画祭に特別招待作品として選出され、スタジオジブリの鈴木敏夫から「こんなに美しい日本映画を作る若者がいる」と大絶賛された。『静かな雨』では、『羊と鋼の森』の著者・宮下奈都の同名小説を実写映画化し、東京フィルメックスにてコンペティション部門の観客賞を受賞、多くの映画ファンを唸らせた中川龍太郎監督のもと、『四月の永い夢』で助監督、『わたしは光をにぎっている』『静かな雨』では監督補佐を担当するなど中川作品には欠かせない、新人の佐近圭太郎が満を持して『東京バタフライ』の監督を務めた。

Tokyo New Cinema × WIT STUDIOの魅力は、「アートであってエンターテイメントである」作品を世に送り出すことにこだわり、日本から世界に出せる良質な作品制作を目指している点だろう。異業種から実写映画製作への参入という業界へのしがらみがないことを強みに、積極的にクラウドファンディングなどを駆使した広報活動を展開。今後も才能ある製作者が作品をより生み出しやすくするプラットフォームをつくったり、新しいテクノロジーを活用した映画製作も構想しているという。

かつて同じ夢を追いかけた若者四⼈が、叶わなかった夢を“ちゃんと終わらせる”までの物語。“愚直に誠実に⽣きることへの美しさ”を描いた『東京バタフライ』は、9月11日より公開される。

『東京バタフライ』

喪失感から緩やかに解放されていく日々が紡がれる『四月の永い夢』

『愛の小さな歴史』『走れ、絶望に追いつかれない速さで』などの新鋭・中川龍太郎が監督・脚本を手がけ、第39回モスクワ国際映画祭で国際映画批評家連盟賞とロシア映画批評連盟特別表彰を受賞したヒューマンドラマ。3年前に恋人を亡くした27歳の滝本初海。音楽教師を辞めたままの穏やかな日常は、亡くなった彼からの手紙をきっかけに動き出す。元教え子との遭遇、染物工場で働く青年からの思いがけない告白。そして心の奥の小さな秘密。――喪失感から緩やかに解放されていく初海の日々が紡がれる。ヒロイン・初海役に、ジブリ映画「かぐや姫の物語」で主人公の声を演じた朝倉あき。初海に恋する朴訥で誠実な青年・志熊役を三浦貴大が演じる。

2017年製作/93分/G/日本/配給:ギャガ・プラス
©2017 WIT STUDIO / Tokyo New Cinema

現代の“魔女の宅急便”『わたしは光をにぎっている』

デビュー作からこれまで海外の映画祭で数々の賞を受賞し、フランスの一流映画誌カイエ・デュ・シネマからその鋭い感性を絶賛された若手監督・中川龍太郎が、特別な才能があるわけではないけれど、都会の中で居場所を見つけ、現代を生きる若者の姿を丁寧に描く。澪を演じるのは、TBS日曜劇場「この世界の片隅に」の情感あふれる演技で存在感を放った松本穂香が主演を務めた。「閉店します」の貼り紙、一夜で壊される建物、路地から消える子どもたちの声−。今、日本は発展や再開発の名のもとに、大きく変わろうとしている。<失われてゆくもの>を、感謝を込めて丁寧に送り出すことで、前へ進もうとする主人公は、現代に生きる私たちに大切なものが終わる時にどう向き合うかを、まっすぐな瞳で伝えてくれる。

2019年製作/96分/G/日本/配給:ファントム・フィルム
©2019 WIT STUDIO / Tokyo New Cinema

静かで、美しく、切なくも愛おしいラブストーリー『静かな雨』

映画化もされた本屋大賞受賞作「羊と鋼の森」で知られる宮下奈都が2004年に発表した小説デビュー作を、『南瓜とマヨネーズ』等の話題作に出演する注目の実力派若手俳優、仲野太賀と、乃木坂46を卒業し、本作で女優として確かな一歩を踏み出した衛藤美彩のダブル主演で映画化。大学の研究室で働く、足を引き摺る行助は、“たいやき屋”を営むこよみと出会う。だがほどなく、こよみは事故に遭い、新しい記憶を短時間しか留めておけなくなってしまう。こよみが明日になったら忘れてしまう今日という一日、また一日を、彼女と共に生きようと決意する行助。絶望と背中合わせの希望に彩られたふたりの日々が始まった・・・。一日一日を大切に生きるふたりの心情を美しい映像とサウンドで瑞々しく描く、切なくも愛おしい作品に仕上がった。監督は「四月の永い夢」の中川龍太郎。2019年・第20回東京フィルメックス観客賞受賞。

2019年製作/99分/G/日本/配給:キグー
©2019「静かな雨」製作委員会 / 宮下奈都・文藝春秋

映画『東京バタフライ』は2020年9月11日(金)よりアップリンク吉祥寺ほか全国で順次公開!
監督・編集:佐近圭太郎
出演:白波多カミン、水石亜飛夢、小林竜樹、黒住尚生
配給:SDP
©2020 WIT STUDIO/Tokyo New Cinema