『望み』の初日舞台挨拶が10月9日(金)にTOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、堤真一、石田ゆり子、岡田健史、堤幸彦監督が登壇した。

公開初日を迎えたこの日、石川一登を演じた堤真一、妻・貴代美を演じた石田ゆり子、息子・規士を演じた岡田健史と堤幸彦監督が登壇。堤は「精神的に大変な撮影だったんですけど、完成してみなさんに見ていただけることを心から喜んでいます」、石田も「本当につらかったです。毎日つらかったです。いいチームワークで幸せな現場でした」とその苦労を明かしつつも公開を喜んだ。

登壇した3人と娘・雅を演じた清原果耶の4人は家族が住む家のセットでの撮影が多かったが、家族らしさを表現するために、クランクイン前に「お願いして食事をした」と明かす堤。「とにかく一度お会いしたい」という堤たっての願いだったが、この食事会では「何でもないちょっと笑える話を」と石田が明かすように、作品とは関係のない話をしていたようで、これに堤は「若い岡田くんと撮影するときは、“こいつ大したことない、普通のおっさん”と思わせるほうがいい」と振り返った。

岡田はその食事会の印象を「堤さんがお話をされていて、それを僕と堤監督が聞いている感じだった。その横で石田さんがいい奥さんのようにうなずいて。ずっと僕はおふくろと親父を見ている感覚で、それが撮影にも活きたと思います」と感謝の気持ちを語った。堤監督も「(食事会や撮影現場でも)堤真一さんが周りを暖炉のように温めていく」とコメントすると、堤は「恥ずかしいじゃないですか。だからしゃべったんだと思います。緊張していた」と照れ笑い浮かべた。

また、撮影現場ではカメラが回っていない時間も4人がセットの隅に集まっていたといい、石田は「堤さんがいるだけで集まってくる求心力がある。何も話さなくても一緒にいることが多かったです」と“家族関係”が構築されていた様子をうかがわせ、岡田も「きっと石川家ではそれが当たり前だっただろうし、それが映像にも反映できるように」とコメントした。

この日は残念ながら登壇が叶わなかった清原からはビデオメッセージが寄せられ、「休憩中も椅子に座ってみんなで話していた時間がいとおしくて好きでした。またみなさんとご一緒できるようにがんばりたいと思います」という清原。堤は「食事会もいらっしゃらなかった、未成年ということもあって。今回も、完成披露も忙しくていらっしゃらなくて、俺らが暇っていう感じで(笑)」と冗談を交えつつ、「撮影後会っていないんです。また機会があったらお会いしたい」と笑顔を見せた。

最後に堤は「それぞれの立場で観られる映画です。何かを感じていただければ」、石田は「一人一人の心の中に深く入り込む美しい映画です。つらい物語ですけど、『望み』というタイトル通り、どこか希望を感じる、光る点に向かってみんなで歩んでいくような優しい空気を感じます」と本作をアピール。

岡田は「家族のありがたみを感じた作品です。“コロナ禍”ですし、この作品を見った後は、ご家族のことを考える時間がきっと出てくると思います。愛情をご家族に届けてください」と、先日テレビ出演した際に“コロナうず”と言い間違えたことがトレンド入りしたことを踏まえて、“コロナ禍”を強く強調し、笑いを誘いつつメッセージを送った。

高校生の息子が消えたその日、同級生が殺された。幸せだった家族の日常は一変する。息子は犯人なのか。それとも、もう1人の被害者なのか?極限の家族愛を描くサスペンス・エンタテインメントである本作は、ベストセラー・サスペンス小説を、エンターテインメントの旗手・堤幸彦監督により映画化。堤真一演じる一級建築士の石川一登は、自らデザインした優雅な邸宅で、石田ゆり子演じる妻・貴代美や子供たちと幸せな毎日を送っていた。その日常は、ある日突然一変する。高校生の息子が無断外泊をした夜、同級生が殺害される事件が起きる。それきり連絡が途絶えてしまった息子は事件への関与を疑われていくが、もう一人殺されているという噂が流れる。愛する我が子は犯人か、それとも被害者か―。

【写真・文/編集部】

映画『望み』は全国で公開中!
監督:堤幸彦
出演:堤真一、石田ゆり子、岡田健史、清原果耶、加藤雅也、市毛良枝、松田翔太、竜雷太
配給:KADOKAWA
© 2020「望み」製作委員会