『十二単衣を着た悪魔』の公開記念舞台挨拶が11月7日(土)に新宿ピカデリーで行われ、三吉彩花、村井良大、笹野高史、黒木瞳監督が登壇した。

脚本家・小説家の内館牧子が「源氏物語」を題材に、奔放で強い女性によって成長していく青年の姿を描いた長編小説「十二単衣を着た悪魔 源氏物語異聞」を元に実写化した本作。主演の伊藤健太郎が演じるのは、就職試験59連敗中の実家暮らしのフリーター・伊藤雷。何でもできる弟に対して劣等感を持つ彼が、ひょんなことから「源氏物語」の世界にトリップ。弘徽殿女御に仕え翻弄されながらも、未来を当てる比類なき陰陽師として認められることで成長していく。そして弘徽殿女御役を演じるのは三吉彩花。嫌われ者、野心家などのイメージの弘徽殿女御を、現代のキャリアウーマン顔負けのハートと冷静な分析力で息子を帝にしようと、ブレない信念を貫く芯の強い女性を演じる。

黒木監督は「11月6日公開を迎えました『十二単衣を着た悪魔』。昨日観て頂いた全国の方にも感謝いたします。そしてたったいまご覧くださったみなさま、本当にありがとうございます」と挨拶した。三吉は「弘徽殿の女御という役は黒木監督をはじめ、ひとりひとりのキャストの方、スタッフの方にたくさんの愛をいただいて。その愛をスクリーンで役を通してお返しできたのではないかと思っております」と笑顔を見せた。

三吉が演じる役について黒木監督は「素晴らしかったです」と一言。そして「僭越ですけれども先輩ですので、芝居の仕方とか女優としてわかる細かいところをアドバイスさせていただきました」と話した。

弘徽殿の女御の好きなセリフについて問われた三吉は「撮影当時、私のマネージャーさんが『やれることもやれぬこともやって私は生きる』というセリフを私に言わせたいんです!という思いを黒木監督に伝えてくださったというのを後から知って。そのセリフを言い終えたときにマネージャーさんにも監督にもこの役としてしっかりと恩返しができたんだなという実感が湧いたので、そのセリフが心に残っています」と振り返った。

笹野が演じた良喬は39歳という数字がありましけど・・・?という問いを投げかけられた笹野は「私の特技といたしますのは、年齢幅をたくさん演じられるという。その説得力があるという。それが私の特技でございます」と自信満々に答え、この役のオファーについて「当然だろうなと思いました」と言い切り、会場を笑わせた。

【写真・文/蔭山勝也】

映画『十二単衣を着た悪魔』は全国で公開中!
監督:黒木瞳
出演:伊藤健太郎、三吉彩花、伊藤沙莉、田中偉登、沖門和玖、MIO YAE、手塚真生/細田佳央太、LiLiCo、村井良太、兼近大樹(EXIT)、戸田菜穂、ラサール石井、伊勢谷友介/山村紅葉、笹野高史
配給:キノフィルムズ
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