ベトナム社会のタブーに切り込んだ衝撃作『ROM(原題)』が『走れロム』の邦題で6月に公開されることが決定した。
本作は、サイゴンの裏町を舞台に、孤児の少年ロムが夢を叶えるため、巨額の当選金が手に入る違法宝くじに挑む姿を、疾走感溢れるスタイリッシュな映像とエモーショナルな演出で描いた話題作。監督は、長編デビュー作にして釜山国際映画祭ニューカレンツ部門(新人監督コンペティション部門)最優秀作品賞の受賞はじめ世界各国の映画祭で熱い視線が注がれる期待の新鋭チャン・タン・フイ。プロデューサーには、『青いパパイヤの香り』『シクロ』で知られる名匠トラン・アン・ユン監督が名を連ねる。

世界で輝かしいデビューを飾った本作だが、社会主義国家のベトナムにおいて顕在化させたくない社会問題となっている“違法くじ”を描いたことで、当局の検閲が入り修正を余儀なくされる。そうした苦境を経て迎えた本国ベトナムでの公開は、ロングランヒット中だったクリストファー・ノーラン監督の超大作『TENET テネット』を興行成績で圧勝する奇跡の大ヒットを記録、一大センセーションを巻き起こした。日本でも修正バージョンを公開。先立って、3月5日(金)より開催される第16回大阪アジアン映画祭特別招待作品部門で日本初上映される。

ストーリー

活気に満ちたサイゴンの路地裏にある古い集合住宅。住民たちは投資家を装う詐欺師の債権者から多の借金を背負い、アパートを維持するため大金が当たる違法宝くじに熱中している。14歳の孤児ロムはそこで宝くじの当選番号の予想屋として生計を立てていた。地上げ屋から立ち退きを迫られている裏町の住民たちを救うため、生き別れになった両親を捜すため、ロムは危険な違法宝くじで一攫千金の賭けに出る――。

映画『走れロム』は2021年6月よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国で順次公開!
監督:チャン・タン・フイ
出演:チャン・アン・コア、アン・トゥー・ウィルソン
配給:マジックアワー
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