石井裕也監督最新作『茜色に焼かれる』のメイキング写真が解禁された。

この世界には、誰のためにあるのかわからないルールと、悪い冗談みたいなことばかりがあふれている。そんな弱者ほど生きにくい時代に翻弄されている一組の母子がいた。哀しみと怒りを心に秘めながらも、わが子への溢れんばかりの愛を抱えて気丈に振る舞う母。その母を気遣って日々の屈辱を耐え過ごす中学生の息子。彼女たちが絶対に手放さなかったものとは―。本作で人間の内面に鋭く向き合ったのは石井裕也監督。多難の時代に逆風を受けながらも前向きに歩もうとする母親・田中良子役を尾野真千子が演じる。

今回解禁されたメイキング写真では、スタッフやキャストがマスクやマウスシールドを装着して万全の体制で撮影に挑んだ様子が切り取られている。石井監督は「新型コロナウイルスの感染リスクを下げるため、まずは現場に出入りする人間を極端に削減しようとした。スタッフはもちろん少人数体制で、エキストラもここぞという場面しか呼んでいないので、ただでさえ少ないスタッフが何度も何度もエキストラ出演している。あるスタッフは多分5シーンぐらい出演している」と、コロナ禍での撮影の苦労を語った。

主演の尾野真千子は「日に日に感染者や亡くなられる方が増えていくのを見ていて、事務所に“新しい仕事はちょっとできないです。今やっている仕事も考えさせてください”と伝えていました。そんな時に石井監督から台本が送られてきて。読んでみたら、いろんなものが押し寄せてきて、これはやらないとアカンな、と。女優を休んでいる場合じゃない、やりたい!もしこの作品で何かが起こっても後悔しないんじゃないかって。死ぬ気で頑張ります、と監督にも伝えました。それは冗談でもなくて、本気の“死んでもいいから頑張ります”でした」と、この作品に掛けた覚悟を明かした。

映画『茜色に焼かれる』は2021年5月21日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国で公開!
監督・脚本・編集:石井裕也
出演:尾野真千子、和田庵、片山友希/オダギリジョー、永瀬正敏、大塚ヒロタ、芹澤興人、前田亜季、笠原秀幸/鶴見辰吾、嶋田久作
配給:フィルムランド
R-15+
©2021『茜色に焼かれる』フィルムパートナーズ