『Arc アーク』の初日舞台挨拶が6月25日(金)に新宿ピカデリーで行われ、芳根京子、寺島しのぶ、岡田将生、清水くるみ、小林薫、石川慶監督、スペシャルゲストとして鈴木咲が登壇した。

原作は21世紀を代表するSF作家ケン・リュウの傑作短編小説「円弧(アーク)」(ハヤカワ文庫刊)。原作の息をのむほど斬新な不老不死のシチュエーションと、行間に流れる死生観を引き継ぎながら、映像作品へと鮮やかに転生させたのは石川慶監督。主人公・リナを演じるのは芳根京子。一人の女性の17歳から100歳以上を生き抜くという、キャリア史上最難関の役どころを繊細かつ大胆に演じきった。リナが勤めるエターニティ社の責任者エマに寺島しのぶ。エマの弟で天才科学者である天音役に岡田将生。さらに、物語の重要なカギを握る人物を倍賞千恵子、風吹ジュン、小林薫の3人が演じ、その全身から滲み出る人間味でスクリーンに情感を与えた。人類にとって全てが初めてとなる不老不死の世界を描いた、驚愕と不思議(=センスオブワンダー)に彩られた壮大なるエンターテイメント作品が誕生した。

公開初日を迎え、多くの観客で埋め尽くされた客席を前に「これまで手の中にあった子どものような『Arc』という作品が飛び立つのは、ちょっとさみしくもあり、でも力強く飛んでいってねという思い」と笑顔を見せた芳根。岡田は客席を見渡し、「圧巻されて、感慨深いものがあります」と観客を前に、舞台挨拶に登壇することができた喜びを語った。

本作について「俳優人生としてもそうですけど、芳根京子自身の人生において大切な一本になりました」と自信を見せた芳根。“本作で見て欲しいポイント”をフリップで紹介するコーナーでは「たくさんの愛」と書いた芳根は、キャストが演じた役柄同士の愛や、石川監督の作品への愛など「たくさんの愛を感じる現場」と改めて雰囲気の良さをうかがわせた。

そんな芳根との共演が本作で2回目だという岡田は「本当に頼もしくて、でもどこかもろさがあったので、一緒にお芝居ができて、どこか支えられたらいいなと思いながら、初日を迎えられて撮影の日々を思い返すと、ここまで来たかと感じます」と振り返った。

イベントでは、石川監督からサプライズで芳根に手紙が読まれることが発表されると、まだ手紙を読む前から「嫌だー!泣いちゃう」と早くも目を潤わせていた芳根。石川監督から芳根に感謝の気持ちが伝えられ、さらに「願わくば人生の節々で映画を作りたい」と再タッグへの期待も。

これに芳根は「一言目から泣くの我慢してたんですよ。こんなに幸せなことないなって思うんです。こんなに必要としていただけて、役者としてこんなにうれしいことはない」という芳根は「このお話をいただいたときに、この仕事が自分に向いているか分からなかったときで、それも石川さんが優しく包み込んでくださって、今ここに立つことができています。私の人生のかけがいのない存在です」と振り返った。

最後に芳根は「感謝の気持ちしかありません。本当に、今この世の中で映画が公開できること、たくさんのお客さんに見てもらえることは当たり前じゃないと、ここから感謝して精進していきます」とメッセージを送った。

【写真・文/編集部】

映画『Arc アーク』は全国で公開中!
監督・編集:石川慶
出演:芳根京子、寺島しのぶ、岡田将生、清水くるみ、井之脇海、中川翼、中村ゆり/倍賞千恵子、風吹ジュン、小林薫
配給:ワーナー・ブラザース映画
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