『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の世界配信を記念して、7月23日(金)にオンライン上で開催された「Comic-Con@Home」のパネルセッションに、原作・脚本・総監督を務めた庵野秀明が登壇した。

『シン・エヴァンゲリオン劇場版』は、新たな『エヴァンゲリオン』として2007年に誕生した『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズの4作目にしてシリーズのラストを飾る作品。人造人間エヴァンゲリオンに搭乗し、それぞれの生き方を模索するシンジ、レイ、アスカ、マリ。人と世界の再生を視野に入れた壮大な世界観と細部まで作り込まれた緻密な設定、そしてデジタル技術を駆使した最新映像が次々と登場し、美しいデザインと色彩、心に刺さる情感あふれる表現。7月21日(水)に劇場終映(一部劇場を除く)となった本作は、累計興行収入102.2億円を突破し、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズで最もヒットした作品となった(7月22日現在、興行通信社調べ)。

今回、7月23日(金)にオンライン上で開催された「Comic-Con@Home(コミコン・アットホーム)」のパネルセッションに、本作の原作・脚本・総監督を務めた庵野秀明が登壇。Prime Videoでの配信を待ち望む世界のエヴァファンに向けて、作品への想いを述べまた。

司会者とのパネルセッションの中で庵野総監督は「本当は8年で完結させようと思っていましたが、16年かかってしまいました。全てが終わった今、ホッとしています」とラストを迎えた『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズを振り返った。1995年にTVシリーズとして誕生し、26年もの間SFアニメ超大作の金字塔として君臨している本作に関して庵野総監督は「作品自体のストーリーやドラマ、技術的なクオリティは、スタッフとキャストの努力のお陰で、常になるべく高い位置にあるように頑張って維持しています。それとは別に、『エヴァンゲリオン』には世界の人に共通する何かがあったのだと思います。それは自分自身の物語として捉えられるような仕組みになっていたからなのかもしれません。一概には決められませんが、世界中の人がそれぞれ自分にとってこれだと思うものが、届いた結果なのかなと思っています」とエヴァが世界で愛され続けている理由について見解を述べた。

また、過去にTVシリーズと『新世紀エヴァンゲリオン劇場版』で2度終わりを迎え、今回が3度目となる『シン・エヴァンゲリオン劇場版』のラストに関して「おおむね最初から決めていました。漠然とあった終わり方が、少しずつ形を変えて今回の終わりに行きつきました。ディティールは変化しましたが、根本的には変わっていません」と、ラストの制作秘話を明かしました。

さらに「今年61歳になったので、エヴァではなく実写作品の映画を何本か作りたいと思っています。アニメーションは、今後実写作品を数本作ってから、またやれるチャンスがあればと思っています。まだ何も決まっていませんが」と今後の展望を語りつつ「実写作品とアニメーション作品の制作の仕方は全く違います。アニメーションでは出来ないことを実写で色々と描けるので、本当に楽しみにしています」と笑顔で語り、新たな目標に向かって強い意欲を表した。

最後に「『エヴァンゲリオン』に限らず、僕の描く作品は基本的には日本で暮らす人たちに向けたドメスティックな内容です。そのような作品が世界の人に愛されているのは本当にありがたく、光栄です。皆さん『エヴァンゲリオン』を本当にありがとうございます、そしてよろしくお願いいたします」と世界中のファンに感謝の意を示し、パネルセッションを締めくくった。

PrimeVideoの「Comic-Con@Home」パネル映像

『シン・エヴァンゲリオン劇場版』は2021年8月13日(金)よりAmazon Prime Videoにて独占配信開始!
企画・原作・脚本・総監督:庵野秀明
監督:鶴巻和哉、中山勝一、前田真宏
声の出演:緒方恵美、林原めぐみ、宮村優子、坂本真綾、三石琴乃、山口由里子、石田彰、立木文彦、清川元夢、関智一、岩永哲哉、岩男潤子、長沢美樹、子安武人、優希比呂、大塚明夫、沢城みゆき、大原さやか、伊瀬茉莉也、勝杏里、山寺宏一、内山昂輝、神木隆之介