『護られなかった者たちへ』の公開直前トークイベントが9月20日(月・祝)に都内で行われ、佐藤健、阿部寛、林遣都、瀬々敬久監督が登壇した。

作家・中山七里の傑作小説を映画化した本作。全身を縛られたまま“餓死”させられるという、異様な手口の連続殺人事件が発生。捜査線上に浮かび上がったのは、過去に起こした事件で服役し、出所したばかりの利根。刑事の笘篠は利根を追い詰めるが、決定的な証拠がつかめないまま第三の事件が起きようとしていた―。なぜ、被害者はこのような無残な殺され方をしたのか?利根の過去に何があったのか?さまざまな想いが交錯する中、やがて事件の裏に隠された、切なくも衝撃の真実が明らかになっていく―。主人公・利根役に佐藤健、彼を追う刑事・笘篠役を阿部寛が演じるほか、清原果耶、倍賞美津子、吉岡秀隆、林遣都ら豪華演技派キャストが集結。

佐藤演じる容疑者と、阿部・林演じる刑事の攻防が描かれる本作の設定にちなみ、刑事の“取り調べ”さながらにトークを展開。雨の中の逃走や利根を取り押さえようとするシーンなどハードな場面も多かった本作で、お互いに“この人のここはすごい”と思った点について佐藤が「本当に阿部さんはタフでいらっしゃいましたよね。逃走シーンではめちゃくちゃ走ったのに、阿部さん全然ピンとされてまして…」と話すと、阿部が「その時は大丈夫だったんですけど、半年間苦しみました」と苦笑い。林も「早いし、バテないし、すごいなと思いました。歩幅が違うので早いですよ(笑)全力でも敵わなかったです」と振り返った。

阿部は「佐藤くんの集中力の凄さが圧巻でした。利根がそこにいるんじゃないかと思うくらい、それを通していらっしゃる。その集中力を見たときにいろいろなものを感じましたし、僕も役がやりやすくなりました」と絶賛。林も「健さんに最初にお会いした時、物語の中の登場人物が生身の姿で存在しているような印象を受けました。利根なんですけど、初めて見る“佐藤健”だとも思いました。他の人には感じたことのないオーラを感じました」と褒め尽くされた佐藤は「大変光栄です」と笑顔を見せた。

そんな佐藤は宮城での撮影を「実際の被災地である場所で撮影することができたのは、演じる僕たちからすればとても助けられました。映画の冒頭は被災直後のシーンから始まるのですが、美術のセットではあっても、その場所に立つと怖いし、心細いし、寒いし、震えが実際に起こってきたりしました。心細い気持ちの中で、近くに誰かがいてくれることの安心感が自然と湧き上がってきたので、そういった感情に身を委ねて撮影させていただきました」と実際の現場ならではの撮影体験を振り返った。

“それぞれに聞いてみたかったこと”では佐藤が阿部に「LINEとかされるんですか?」と質問を投げかけると「LINEするんですよ」と答える阿部。佐藤が「スタンプとか使うんですか?」とさらに尋ねると、阿部は「ニコニコみたいな、黄色い丸い顔のやつ使います」と会場は盛り上げた。阿部は佐藤に「取材のときに、カメラマンの人に『かっこいいですよ~、いいOK!』と言われると、逆にテンション下がって困るんですけど(笑)佐藤さんどうですか?」と質問すると、佐藤は「明らかに仕事で、呼吸をするようにいう人、嫌ですね(笑)僕もそう思ってました(笑)でも、阿部さんを撮ってる人のことを考えると漏れちゃうのは仕方のないことなのかなと思います」と答える佐藤。

イベントでは一般の方からの質問に答えるコーナーも用意され「10年前と今のご自身とで異なるところ、変わったところはありますか?」という質問に、佐藤は「根本的なところは変わっていないと思いますが、余裕を持つことができたかなと思います。10年前は今日を生きることに精一杯だったので、今はもうちょっと俯瞰して色々なことを見れるようになったかなと思います。将来のビジョンまではいかないですが、1、2、3年後のことくらいは見据えることができているかなと思います」、阿部は「10年前、僕の歳でも色々なことが変わってきていますよね。色々な人との出会いがあったり、生活環境も変わりました。逆に、10年前の時は仕事を絞ろうかなと思っていたのが、そこから果敢にやっていこうと思っていたり、いろいろな変化がありますね」、林は「両親にちゃんと“ありがとう”と言えるようになりました。学生時代、反抗期が強くて、上京して、反抗期のまま両親と離れたので、久々に地元に帰っても素直になれない、照れ臭い時期が続いていたのですが、“大切にしなきゃな”というところで『ありがとう』って言えるようになりました」とそれぞれ答えた。

続けて「出演者の方の中でこの人に護られたいと思った方は?」という質問に、阿部は「吉岡(秀隆)さん。僕なんかよりも色々な作品を前からやってらっしゃって、“どんな人なんだろう”と思っていたのですが、オープンに受け入れてくれるし、ソフトだし、この人が親だったら嬉しいなって思いました」と話すと、佐藤も「僕も初めてご一緒しましたが、もの凄く優しくてびっくりしました。柔らかい方でした」と吉岡秀隆の印象を語る。林は「倍賞さんですかね。本当に利根とカンちゃんとうどんを食べて、その後の外での倍賞さんと利根の2人きりのシーンが感動でしたね」とそれぞれ“護られたい”人を語った。

さらに「“雨男”で名高い健さんですが、撮影中、雨に悩まされたことはありましたか?」という質問に佐藤は「まず、名高くないとは思っているのですが(笑)走るシーンは雨の予定ではなかったのに降ってしまって、撮ったら結果オーライでした。雨の方がよかったのでは?と思いましたよね?あれは僕のおかげなんです(笑)」と会場を沸かせた。

「林遣都さんと共通点や似ているところは?」という質問に阿部は「似ているところ結構多いんじゃないかなあ。まず、顔が濃い(笑)共通の知り合いがいるとか、いろいろ話しましたね」と林との共演を振り返ると、林も「おこがましいんですが、昔から顔が誰に似てるかって言われたら阿部さんということが多くて、今回ご一緒できてすごく嬉しかったです」と振り返った。

最後に佐藤は「震災から10年が経ちましたが、まだ世界には様々な問題があって、困難に苦しまれている方がたくさんいます。この映画には自分たちの護りたい人を、護れるような社会であって欲しいという願いが込められております。受け取っていただけましたら幸いです」と本作をアピールした。

【提供写真】

映画『護られなかった者たちへ』は2021年10月1日(金)より全国で公開!
監督:瀬々敬久
出演:佐藤健、阿部寛、清原果耶、倍賞美津子、吉岡秀隆、林遣都、永山瑛太、緒形直人
配給:松竹
©2021映画「護られなかった者たちへ」製作委員会